2012年12月31日月曜日

つまり・・・褌子

   熊さん、ぼくのつたない発言を読んでくれていたんだね。ありがとうございます。
  来年のささやかな抱負は↓の「いよいよ本格的に真剣勝負で、耳を傾け、出来るだけ相談にのりたいと思う」というところです。
  じつは相談にのっても解決しないことが多いね。しかし本人がすこしでも元気がでてくれればいいんだ。こっちも一期一会のつもりで生き甲斐感じてやってるんだ。熊さんが合唱に熱中するのと同じ心境かもしれん。
―――――年の瀬のつぶやきツィッターは以上でおしまい。大晦日の今晩は、難しいことは考えず旨い酒をじっくり飲みながら年賀状を書くことにしよう。
ではみなさん良いお年を!

それで・・?   九州の熊

来年の抱負はなんなの?

来年の抱負・・・褌子

   古稀記念に来年の抱負を書いてみる。
  世の中には生活に困窮している人がじつに多い。食うに困らなくても家庭的に悩んでいる人も本当に多い。
  来年こそはいよいよ本格的に真剣勝負で、耳を傾け、出来るだけ相談にのりたいと思う。
  きのうは亡妻の生命保険九百万円だましとられた独り暮らしの老人の相談にのった。今日の午前は、若気のいたりでつくった三千万円の借金を土建業の下請け業者として死にものぐるいで働いて返済している青年が、無申告だというので同世代の青年税理士のところに年末無理を承知で連れて行った。中卒のこの青年とは25才から十年つきあっている。午後は、電話だが離婚相談にのった。パチンコ狂の主人と別れる、いや可哀想で別れられない…ずっと同じことを悩んでいる生活苦の奥さんだ。こちとらの年賀状も手つかずのまま、えんえんとつづく長電話に、いらいらしていた女房が『大掃除!どうすんの!!!』ととうとう怒鳴りだした。こういうのを内憂外患というのだ。
  こういうとき、机のうえの田中正造の肖像画がみるのがいい(写真)。軍人恩給の相談にのったおじいさんが自分で模写して置いていったもの。
  田中正造の名言はいくつもあるが、「辛酸亦入佳境」が簡潔でいい。
  真の文明は山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし
第一級の日本人である。

2012年12月29日土曜日

髙野素十・・・褌子

   方丈の大庇より春の蝶の髙野素十がこんなぴったりの句をつくっているんですね。大蔵経を安置している部屋は寒くて薄暗く障子をあけたら外は一面の雪だった。大蔵経は一切経ともいって、仏教の聖典を網羅している。そういえば福島にも一切経山があります。
  若山牧水のうたは正しくは    けふもまた心の鉦を打ち鳴らし打ち鳴らしつつあくがれて行く 
  年の暮の心境としてはどっちでもよろしいが記憶力が恐ろしく減衰している。

一切経を蔵したる・・・猫跨ぎ

雪明り一切経を蔵したる  高野素十
まさに格好の一句だね。

年も押し詰まり、孫も来るというのに風邪をひいてしまった。今日になって大分回復。なんとかなりそうだ。午前中は蒲団の中で、枕もとの本をあれこれ斜め読みしていた。
こういう気分も悪くない。

2012年12月27日木曜日

年の暮れの心境・・・褌子

   湯宿温泉という群馬の水上の奥に行ってきた。
   粉雪の舞うなか野仏めぐりをする。寒くて観光客もだれもいない。谷川岳は真っ白。写真は泰寧寺という古刹の野仏たち。
   若山牧水も泊まったという金田屋という古い旅館で一泊。
   旨い酒を二合飲んだ。目の前に牧水の掛け軸あり。
人の世にたのしみ多し然れども酒なしにしてなにのたのしみ
   まさに逸徳さん向きのうただね。私の年の瀬の心境はむろん
   けふもまた心の鉦をうち鳴らしうち鳴らして独り旅ゆく 
  牧水ゆかりの談話室みたいな部屋があり、そこの本棚に「大正新修大蔵経」全100巻があった。誰かが寄贈したらしい。大蔵経という名前はきいたことがあるが巻物ではないにしても本の現物をみたのははじめて。↓写真のように手に取ってみる。びっしりと経文の細かい漢字が並んでいて目がまわりそうである。諸橋轍次『大漢和辞典』を図書館で開いて見たときみたいになにやら厳粛な気持ちになったから不思議だ。
   キリスト教は新旧の聖書、イスラムもコーラン114章だけだが。
  広辞苑をひくと
  『大蔵経』=仏教聖典の総称。経蔵・律蔵・論蔵の三蔵およびそれらの注釈書を網羅した叢書。パーリ語・チベット語・モンゴル語・満州語・漢語のものが現存。一切経。蔵経
  『大正新脩大蔵経』=1924年(大正13)から34年(昭和9)にかけて、高楠順次郎・渡辺海旭・小野玄妙らによって刊行された日本で最大の大蔵経。正編55巻、続編30巻、別巻15巻(図像12巻、昭和法宝総目録3巻)の全100巻から成る。大正蔵・正蔵と略称。
  

今夜は冷える・・・猫跨ぎ

  しかし今日は冷えるね。北海道は雪も冷え込みも一級らしい。いやはや当地も予報では明け方-7℃となっている。ホントに水道管大丈夫かな。
  仁ちゃん、過分な言葉どうも有難うございます。ここ数年、割と一生懸命俳句をやってきたつもりだけれど、世界がどんどん開けてゆく。実にいい伴侶をえたという気がしている。物理的な時間は、音を立てて過ぎ去ってゆくけれど、俳句の世界に遊弋していると、ここには別の時間が流れている。もう何度も未だの人には俳句(勿論これに限らないが)を勧めてきたが、全く後悔はしていない。改めて勧めたい。

2012年12月24日月曜日

函館通信195・・・猫跨ぎ句評・・・仁兵衛

 今年も押し詰まったね。猫跨ぎさんの秀作一年間楽しませていただきました。今月は特に味のある優れた句が多いいじゃないかな。

・鍋敷があつたので買ふ文化の日 ・フィリピン産オクラを刻み十二月・・・二句とも生活観が滲み出ている共通点が面白い。鍋敷とオクラの焦点が決まっているのが良いんじゃないかと思う。

・ボロ市や根付の棚の混み合へる・・・こちらは個人的に世田谷線の若林を知っているので懐かしさ一杯で特選にしてしまった。

・古書の傍線腑に落ちて寒鴉 ・鳥渡り父の時計の動かざる・・・この二句には季語の使い方の上手さに感心。季語と季語以外の所との距離が絶妙といえるのだろう。

 以上五句を選ばせて頂きました。函館は雪も少しあり、真冬日が続いていて本当に寒い。句作もとかく億劫になりがちです。
 来年も宜しくホロホロ句会を盛り立てて下さい。

2012年12月23日日曜日

わかるわかるよ一杯飲もう・・・褌子

逸徳さんのお怒りはもっともだ。
迷走日本はどこへ行くのか。
ちかくの袖ヶ浦公園に女房といったら寒風の大きな沼一面に水鳥が楽しそうに泳いでいた。かるがもの親子の可愛いこと。あの連中は悩みなんてないんだろうなあ。
とりあえず猫跨ぎ句を鑑賞して逸徳さんの怒りを鎮めたい。
・古書の傍線腑に落ちて寒鴉
  古本屋で経験あります。先日、神保町で一海知義『漢詩 漱石と河上肇』を立ち読みしていたら、かつての持ち主の傍線があってぴたり腑に落ちた。買おうと思ったが高いのであきらめた。百円で買ったのは石光真人『ある明治人の記録――会津人柴五郎の遺書』これはいい本だね。近所の会津会をつくっている横山医院の先生にプレゼントしたい。
 薩長の下級侍どもは天下をとったとたんに位人臣をきわめ、旧藩の江戸藩邸を接収し勲章ぶら下げてふんぞりかえった。会津藩士は下北の辺地で俵のなかで寝てネズミを喰って飢えに耐えた。
・鳥渡り父の時計の動かざる
 準特選
掲句は時間というものをしみじみと考えさせる秀句。考える自分もほどなく時間のなかに埋没し消え去ってゆく。いいねえ、人生というものはそういうものらしいのだ。親戚の八十過ぎのおじさんから『うたかたの三万日』という部厚い「自分史」をいただいた。面白く読んだが、他人の自分史などというものはなんとなく儚いものだ。まさにうたかた。私は自分史を書く趣味も家系図調査の趣味もない。しかし道産子がご先祖様の出自を調べに内地を訪ねるのはあれはよくわかる。自分も屯田兵の子孫だったら同じことをやるだろう。
・鍋敷があつたので買ふ文化の日
 鍋敷たった一枚ね。文化の日に自分で買ったのね。あたたかいしみじみとした庶民性がよい。
 今夜は牡蠣鍋か、白菜たっぷりのチゲ鍋か。立ち上る湯気がみえるよう。幸福はこんな日常の細部に宿るんだ
・悔恨といふ塊の秋落暉
 落魄のひとの相談によくのるんだ。とにかく延々と話をきくんだ。生きる気力が本人のなかに少しわいてくるまで耳をかたむけるしかないんだ。人間はどんな親をもつかで人生は大きく左右されるね。ひとは親を選べないんだ。
 安倍とか石破とか小沢とかみんな苦労と無縁のお坊ちゃん育ちだね。おれも苦労という苦労もしないで古稀になったんだけど…
・着ぶくれやメタセコイアの暮れ残る
 メタセコイアの紅葉は大好きだね。あの色がいい。夕景によくあうし初冬の朝日にもよくはえる。地面も一面針葉がしきつめられている。北米外来の木がすっかり日本に定着している。長柄町にふる里村という別荘地帯があって見事なメタセコイア並木がある。外来種といえば今はセイタカアワダチソウもススキの陰にひっそりと控えめに。おごる平家は久しからずだ
 特選
・フィリピン産オクラを刻み十二月
  オクラの花は黄色の大輪。昔はオクラなんてなかったな。
  ちゃんと自炊して作者は御飯食べているんだね。
・冬構鏡台の裏はじめて見る
  奥様ご愛用の鏡台。新婚時代を思い出している微笑ましい景。
・草か木かまだ朽ちかねる枯芭蕉
  芭蕉は多年草だそうだ。あの葉っぱは豪快だ。
・ボロ市や根付の棚の混み合へる
  根付けというと池波正太郎の世界へなぜか飛ぶ。
・「目覚めよ」と叱られ年末大通
  はて誰が誰に叱られたんだろう。
  一方的に、悔い改めよ、さすれば神は貴方を救う…大音響で流している宗教団体があるけれど。こちとらは悔い改めることは今のところあまりない。牛飲馬食以外は。  

2012年12月22日土曜日

まあ判るけれど・・・猫跨ぎ

  怒りはごもっともだがどうすればいいのか。民主主義に替わってどんな政治体制がいいのか。世代間責任という言い方をするなら、今の人間の存在のありようが救いがたく後世に無責任だな。シェールオイルの成功で石油問題は解決だなんて喜んでいるが、たかだか数十年先に伸びただけ。ウランだって資源の寿命がある。みな食い散らかして居るだけだ。まあ、亡びるだけじゃないか。未来永劫に人類はあらねばと思うから悲愴になるが、どう転んでもそんなことはありえない。
で、最近の十句。
・古書の傍線腑に落ちて寒鴉
・鳥渡り父の時計の動かざる
・鍋敷があつたので買ふ文化の日
・悔恨といふ塊の秋落暉
・着ぶくれやメタセコイアの暮れ残る
・フィリピン産オクラを刻み十二月
・冬構鏡台の裏はじめて見る
・草か木かまだ朽ちかねる枯芭蕉
・ボロ市や根付の棚の混み合へる
・「目覚めよ」と叱られ年末大通

2012年12月21日金曜日

もうわやくちゃだ・・・・逸徳

今回の選挙 とちゅうから気持ちが悪くなり 新聞もテレビも一切みるのはやめた。 残り少ない人生、精神衛生に悪いことはやらん。 しかし、ほんとにほんとに政治かも財界人もばかに見えてしょうがない。 民主主義について。 これ制度疲労おこしていないか。 ワイマール憲法のもと、民主的な選挙制度のもとで国民に選ばれて!!! 出てきたのがナチスだったのは、もうみんな忘れたのだろうか。 で、一番気になるのが原発の使用ずみ核燃料の問題である。 エネルギー問題だ、経済問題だなんてわーわーいっても、この問題、いまだに解決のめどがたっていない。 環境倫理学における基本的視点としてよくいわれる「世代間責任」ということばが、頭をよぎる。 要するにわれわれは子孫たちの安全性をくいものにして現在だけを生きているのだ。実に反道徳的、反倫理的。一度この世界はガラガラポンにすべきか。 しかし、この使用ずみ燃料の処理は選挙ではまったくとりあげられなかった。 もう、今が良ければ゛というバカばっかりである。
 民主主義という政治システムは再生可能なのか。 こういうことを考えていると、吐き気がしてくる。 もうやめた。 あと20年ももってくれればいいや。

十二月もあとわずか・・・猫跨ぎ

  寒くなったね。昨日は師走の東京を某麗人とあちこち歩き、十年ぶりに某焼鳥店を訪ね懐旧談をして久々に気分良く帰宅。寒いが心地よい。冬はこうでなくては。
古希か。信じられん年になったなあ。生きていることが不思議だ。これからもだらだらと馬齢を重ねていくか。
  選挙の話に戻る。言っておくけど、小生は今回の結果を慶事とは全然考えていないから念のため。選挙制度はどれにしても長短ありで、結果はそれなりに受け取らねばならない。偏りが大きい議員数はともかく、支持政党のなまの数字が現れた比例選挙の結果はそれなりに正直な結果を見せている。原発の略容認派は、自民、民主、維新、公明で併せて70.3%、即停止は、共産、社民、未来で併せて16.4% 。まあこの結果で結局は原子力政策は決められていくのだろう。それが「民主主義」ではないのか。

仁句鑑賞
・問はれたる核エネルギー12月
そうね。選挙では原発含めたエネルギー問題が本来問われたはずだった。
・玄冬や此処が始発の駅となる
北の入口函館への挨拶句かな。
・余所行きを着ることもなし冬の海
ネクタイなどは無縁になったなあ。今年は一回。
・ダイヤルは二十の扉夜半の冬
二十の扉。アナウンサー誰だったかな。藤倉修一?ダイヤルは何だろう。黒電話はとっ くに消えてしまったし。この辺は仁ワールド。
・去年今年リバーシブルに使ひけり
裏地も表にして着れるのをリバーシブルというが、季語のことを言っているのだろう。
・散らかした百の話題や忘年会
その通りで、言いっぱなし、聞きっぱなし。この無責任がいい。
・帰還船どしんと落ちて枯野かな
北海道の帰還船といえば終戦間際の樺太からのものね。撃沈された悲劇があった。
・円盤や独りで年末吸ってをり
仁ワールドだなあ。年末を吸う円盤とは。
・観音地蔵不動の順に収めけり
お札をこの順に収めたのかな?
・天元の黒石活きて虎落笛
囲碁は句意を醸しやすく、俳句のタネが転がっているように思うね。私は残念ながらやらないけど。 特選。

2012年12月20日木曜日

目出度い!仁ちゃんもついに古稀・・・褌子

    七十にして心の欲するところに従って矩をこえず   
    最近やっと女難剣難水難酒難にも動じなくなった。安心立命の境地になんなんとしている。
    銀座高級バーの客飲み残しブランデーをちびりちびりやっている。タダ酒だと思うと実に芳醇にしてかぐわかしい、肴はスルメにマヨネーズ(国兼さんの大好物とか)でたいしたことないがとにかく酒がいいんだ!
    仁ちゃんは今月二三日生まれだったね。私は一八日で五日間の先輩だ。
・問はれたる核エネルギー12月
 原発が争点にならなかった総選挙のことかな
・玄冬や此処が始発の駅となる
  準特選。朱夏とか玄冬とか雰囲気のある漢語だ。赤と黒。春と秋はなんていうのかな
・余所行きを着ることもなし冬の海
  寒いもんなあ。正装して出かけることなんか無くなったということか
・ダイヤルは二十の扉夜半の冬
  二十でなく二重の扉ではないですか。あの日あの頃のNHKラジオ
  笛吹き童子とか赤胴鈴の助。♪ヒャラリコひゃらリーコ。
・去年今年リバーシブルに使ひけり
  面白い発想だね
・散らかした百の話題や忘年会
  忘年会だなあ。
・帰還船どしんと落ちて枯野かな
  戦後まもなくの風景。舞鶴港。白山丸や興安丸そして「岸壁の母」
  「帰り船」♪波の背の背に~。函館港にも樺太からの帰還船が入港したはず
・円盤や独りで年末吸ってをり
  なるほど面白い
・観音地蔵不動の順に収めけり
  観世音菩薩→地蔵菩薩→不動明王の順番なのね
・天元の黒石活きて虎落笛
 特選

函館通信194・・・古希・・・仁兵衛

 おーい!俺も古希仲間に入れてくれ。12月23日まで行けば無事入会とさせてください。何も皆さんに振舞うものも見当たりませんので拙句をお届けします。古希が見えてきたら自分がどんどん老けて行く速度が早くなってきているみたい。句の中に溌剌としたものを出したいんですがそれがさっぱり表せません。

   問はれたる核エネルギー12月
   玄冬や此処が始発の駅となる
   余所行きを着ることもなし冬の海
   ダイヤルは二十の扉夜半の冬
   去年今年リバーシブルに使ひけり
   散らかした百の話題や忘年会
   帰還船どしんと落ちて枯野かな
   円盤や独りで年末吸ってをり
   観音地蔵不動の順に収めけり
   天元の黒石活きて虎落笛



 

妙な古稀祝い・・・褌子

   民主党の惨敗は当たり前だが、自民党が圧勝したのは小選挙区制のせいだ。
「東京新聞」では全有権者でみると自民党は小選挙区制で24%、比例代表では15%の支持にすぎないと報じている。小選挙区制では四割の支持で議席の80%を獲得したが、安倍や石破もさすがにあまり浮かれてはいない。
   世論調査では65%くらいが原発反対、55%くらいが消費税増税反対、憲法改定は賛否半ばとなっているから、民意を正確に反映していない政党が圧勝し政権をとることになった。まあこれも民意といえば民意ということか。
   きのうの夕方、わが家の二階から富士山の写真をとった。逸徳さんと東西両方向から富士山を眺めていることになる。
   数年前、銀座のレストランに勤めていた女性のリストラ相談にのったことがある。私が交渉してかなりの退職金をもらって円満解決した。ひさしぶりに彼女に電話で選挙を頼んだところ、いま銀座でバーテンダーで元気に活躍しているとのこと。日本バーテンダー協会賞ももらったそうだ。
   私が古稀になった祝いだといって彼女がおととい訪ねてきた。リュックからとりだしたお土産はなんとお店で飲み残しの高級洋酒五、六本。まだ半分くらいスコッチやコニャックがはいっていて芳醇な薫りがする。お客相手にどんどん高級酒の封を切ることが優秀なホステスなのはいうまでもない。こんなもったいない飲み方をして店員のもちかえりOKなんだから金持ち相手の高級クラブらしい。写真手前の小さな瓶はメキシコのテキーラ。寝るとき、枕元でちょいと舐めてから寝たらいい夢をみた。
   おととい一八日に逸徳さんのあとを追って小生も古稀になった。いやあ目出度い弥栄とひとりで乾杯している。
   

2012年12月17日月曜日

民意・・・猫跨ぎ

  結局、民主党が体を成していなかったということか。最後まで綱領が無かったんだね。素人の何とは無しに集まった集団。なにか問題が起きると大勢が群れを成して簡単に脱党していった。その連中がまた何とは無しに集まって小政党を作り、わらわらと大河の中に消えていった。この三年は何をやっていたのか。大部分を演出したのは小沢だがこれで完全に政治生命は断たれた。未来の党か。あっけなく未来が来てしまったね。小沢などはどうでも良いが、日本の政治に何を残したのか。
  脱原発はどこへ行ったのか。今朝の東京新聞は「民意は何処へ」と憤懣やるかたない。これが民意なんだろうに。今回の選挙はそもそも消費税を問うはずだった。これも全く争点にならなかった。自公300超。民意は原発と消費税を認めたんだろう。違うか?
あっけらかんとしたこの国の空気は何だ。

2012年12月12日水曜日

お気づきかもしれないが・・・・逸徳

朝日の「プロメテゥスの罠」という連載で、遠野の酪農への放射能汚染の問題の連載がはじまったよ。 タクシーの中で聞いたことが生々しく語られている。 なかなか興味深いよ。

2012年12月10日月曜日

活断層・・・猫跨ぎ

  活断層がある(らしくて)そこの原子炉は廃炉だと新聞は大見出しだが、一番困っているのは当の地質学者じゃないかと思う。今の地質学が明確なことが言えるレベルかね。3mくらいの穴を掘ってためつすがめつ眺めたり、手で崩してみたり、デジカメを撮ったりしているのを見たが、失礼ながら笑ってしまった。いつ動いたのか、いや単なる地辷りだと小田原評定をやっている。俺たちに責任押しつけられてもなあという表情ありあり。政治家や行政はさあ専門家の意見を聞きましょうとゲタ預けているお気軽さ。どうなるんだこれ。

この件は・・・猫跨ぎ

  この問題はきちんと片付けておこう。この水流がくっついて分かれないのは表面張力効果だろうね。二本よりも併せて一本の方が表面積が小さくなる、エネルギー的に安定になる。或いは、一旦まとまった水流が重力で二本に分かれようとするよりも、水の凝集力(分子間力)が優るといいかえてもいいか。
表面張力の源はお説の通り分子間力。分子間力はイオン相互作用、水素結合、ファンデルワールス力なんかに分類される。この場合は水素結合が主だろう。

そうだなあ・・・・逸徳

確かに不思議なんだが、どうも世の中には二種類の人間がいるらしい。 ある事象をみて「おやなぜだろう」と驚くタイプと、「ふーん、で、だからなんなんだ?」というタイプである。詩人はおそらく前者なのだろうが、後者がなぜ生まれてきたのかということがよくわからない。おそらく相当のプラグマティストだろうという気はするのだが。で、やっぱり一番不思議なのは人間という存在なんだろうなあ。

おいらの授業では、鉛の大きめの重りをふたつ用意して、カッターで表面をけずり新しい面をだしておいて、そこでえいやっと互いにおしつけると、ふたつの重りが接着する。 これ金属結合だと説明しておき、さらに空き缶の下の横の方に1㎝ぐらいの間隔で穴をふたつあけ、水をいっぱいいれておいてカンを持ち上げると、当然のことに穴から放物線を描いて二本の水流が流れだす。これを水の出口で指先でえいやっとはさむようにして水流をくっつけてやると、2本の水流が空中で1本に合体してしまう。これは分子間力のせいだと説明してきた。 しかしこれどうも変だなあという気がしていた。ただ、現象に名前をつけているだけという気がして・・・・。 そこで、この二つを普遍化して「万物の粒子はみな引き合うのである。」とのたまい、状態変化の講義にはいった。 しかし、どっかでなんだか「ジャパネットタカダ」とおんなじだなあ、と思っていた。 うむ、教育というのは美しいウソをつくことだなあ。

2012年12月9日日曜日

身近な不思議・・・猫跨ぎ

  フィルムがどうしてものにくっつくかはよく考えると色んな問題に発展していくので面白い。金箔がものにくっつくのに、何故金貨はくっつかないのかということもそう。黒板のチョークの字はなぜ落ちないかもよく考えると簡単ではない。その力の源は、結局ファンデルワールス力としか言い様がない。そう言えば中川先生とそんな話をしたことがあった。むかし、「物理の散歩道」(ロゲルギスト)という本があった。身近な話題からはじまり結構高度な物理学へ読者を誘うというもの。ほんの僅かの手先の力で自転車のブレーキが効き止まることも考えてみれば不思議だ、という話とか。


2012年12月7日金曜日

函館通信193・・・クレラップ・・・仁兵衛

 “美味しさをそのまま包むクレラップ” 逸徳さん よくぞ思い出させてくれました。有難うと深く深く感謝致します。
 ラップがなぜ物にくっつくのかは猫跨ぎ先生の仰られる通りです。フィルム状の樹脂の上に可塑剤がブリードして単分子膜を形成しているものと考えていました。塩素系の樹脂の燃焼時のダイオキシン問題に続き可塑剤の環境ホルモン問題で長い時間を費やした日々を思い出すのです。表面の凹凸は光学的な輝度で測るとよく解ります。
 

2012年12月6日木曜日

やっぱり・・・猫跨ぎ

  さっき半畳を入れたときに、熊さんから一言あるべしとは思っていた。ところで「旭味」はまだ現役なの? なつかしいねえ。故河野君が雪印製品に思い入れ強く、私が雪印バター、マーガリン愛用と言ったら感謝されてびっくり。彼の父君は雪印に勤めていた。面白いものだ。かくいう小生も王子製紙とかサッポロビールにそこはかとない親しみを感じる。ビールは勿論サッポロだ。日本の会社主義の良き時代の名残のような気がするなあ。だんだん薄れて行くのだろうが。

商品名の雑談   九州の熊

呉羽(クレハ)だから「クレラップ」。A社なら「サランラップ」。味の素株式会社のグルソーがいつの間にか食品添加物の代名詞になっていてほとんど普通名詞のようにつかわれていたのでA社製品「旭味」はずいぶん苦労した。”A社が製った味の素”といわれて悔しい思いもした。わたしがかつて赴任していたインドネシアは自動二輪車が愛用されていて「ホンダ」「スズキ」は自動二輪車の代名詞になっていた。自己紹介で、わたしの名前は「すずき」です、というと”おお!ホンダ!”とひやかされたものだ。そのうち「野田」や「安倍」がだめリーダーの代名詞になったりして・・。

粘着・・猫跨ぎ

  粘着は濡れと言いかえてもいい。ガラスとゴム糊としようか。ガラスの表面に濡れ広がる。肝心のガラスと粘着剤の間で働くのは何か。化学結合、水素結合など様々あるが、この場合はファンデルワールス力だろうね。あと粘着剤の材料強度が重要。水はよく濡れるが粘着剤にならないのは強度が小さいから。

・・・そうだった・・・・・すまん・・・・逸徳

そうだった クレラップだ・・・・なんもいえん。 笑ってごまかす。 で、粘着力とは何だ。金属でも有機化合物でもセラミックでも働く力というのは、どう説明しようか。 

回答Ⅰ・・・猫跨ぎ

��あなたね、仁ちゃんに聞くのに「サランラップ」はないでしょう。「クレラップ」といわにゃ。)
閑話休題。これポリ塩化ビニリデンに可塑剤を配合したもの。単純に可塑剤による粘着性だと思うね。

突然ですが・・・・逸徳

ちと困った。誰かサランラップがなぜくっつくか、説明してくれないか。容器のほうはガラスやセラミックのようなものから、金属、プラスチックまで、ミクロには全然性質のちがったものに、どれでもくっつくのはなぜか。その接着力の原因は何か。 高校生に聞かれてこまっている。「先生、高分子学科だったでしょ」といわれた。ちくしょう、沽券にかかわる。 いい資料でもいい。情報がほしい。 確か仁ちゃんはサランラップやっていたんでないかなあ。 

2012年12月5日水曜日

このご時世・・・猫跨ぎ

  ステレオに通販で買った中古パソコンを接続して画面を見ながら選曲するようにしたらcomfortable になった。バッハや松任谷由実なぞ聞いているここ数日。
最近のアレの最たるものは笹子トンネルの崩落事故。人ごとでないね。今後幾らでもあり得るということだろう。巻き込まれて亡くなった人はこの世の無常というには余りに気の毒だ。コンマ数秒の差で車の片側を潰されながら助かった人もいる。禍福はあざなえる縄の如しか。
  感心したというと不謹慎だが、板橋のマンションの主婦殺害事件。典型的な通り魔事件で捜査難航を予想したがあっさり犯人は検挙された。ひとえに防犯カメラの威力だ。成増で東武に乗り池袋で降りたとか、事細かに解明されている。知らぬ間にカメラが細かに張り巡らされており解像度もいいのだろう。そういう時代なんだな。もはや監視社会が到来しているんだ。これを問題にする向きもあろうが、犯罪捜査はまったく違った世界に入った。あとはDNA鑑定の精緻化だろう。わずかな痕跡から個体識別が出来るとうことの意味は繰り返すまでもない。

2012年12月3日月曜日

選挙か・・・猫跨ぎ

  新党が雨後の何とかみたいに出現し何が何やら判らないね。原発も「反」、「脱」、「卒」とあり、日本語は便利なものだと思いきや、fade out するありで目くらましが極まる。ごく普通の選挙民の感覚で言うが(自分の感覚はそれ程間違っていないと自負しているが)あほくさくなるね。嘉田とかがばたばたと出て来て、小沢の傀儡だいや違うとかいっているのもどうでもいい。小沢が原発廃止論をいつから抱いたのかよく判らんし、相変わらず子供手当なんか聞くと、ただの大衆受けがみえみえだ。財源は行財政改革で幾らでも出てくると3年前に聞かされたことをまた言っている。誰も信用しないのではないか。それにしても皆、もっともらしくぺらぺらしゃべるなあ。
  こういう態度は良くないのだろうが白けるばかりだ。既成政党がさっぱり受け皿にならないのは、共産党も社民党も相当に反省しなければならないのだろう。人ごとみたいにいうと日本の統治機構を支える世界が全体に漂流を始めたのではないか。
ナショナリズムを軸にする立場は判りやすいがそれでいいのかと皆思っている。それに対する対抗軸が見えて来ない。中国を中心に帝国主義の匂いがぷんぷんし、日本が地域平和を率先して唱道すべきとしたこれまでの進歩勢力の考え方がそれじゃ立ち行かないだろうとこれも皆感じている。今度の選挙を「原発」のsingle issue にしたいむきもあるが、そんな単純な事ではないとは皆気付いている。温暖化の問題はどうしたのか。原発事故以来ぱたと声が消えてしまった。