粉雪の舞うなか野仏めぐりをする。寒くて観光客もだれもいない。谷川岳は真っ白。写真は泰寧寺という古刹の野仏たち。
若山牧水も泊まったという金田屋という古い旅館で一泊。
旨い酒を二合飲んだ。目の前に牧水の掛け軸あり。
人の世にたのしみ多し然れども酒なしにしてなにのたのしみ
まさに逸徳さん向きのうただね。私の年の瀬の心境はむろん
けふもまた心の鉦をうち鳴らしうち鳴らして独り旅ゆく
牧水ゆかりの談話室みたいな部屋があり、そこの本棚に「大正新修大蔵経」全100巻があった。誰かが寄贈したらしい。大蔵経という名前はきいたことがあるが巻物ではないにしても本の現物をみたのははじめて。↓写真のように手に取ってみる。びっしりと経文の細かい漢字が並んでいて目がまわりそうである。諸橋轍次『大漢和辞典』を図書館で開いて見たときみたいになにやら厳粛な気持ちになったから不思議だ。
キリスト教は新旧の聖書、イスラムもコーラン114章だけだが。
広辞苑をひくと
『大蔵経』=仏教聖典の総称。経蔵・律蔵・論蔵の三蔵およびそれらの注釈書を網羅した叢書。パーリ語・チベット語・モンゴル語・満州語・漢語のものが現存。一切経。蔵経
『大正新脩大蔵経』=1924年(大正13)から34年(昭和9)にかけて、高楠順次郎・渡辺海旭・小野玄妙らによって刊行された日本で最大の大蔵経。正編55巻、続編30巻、別巻15巻(図像12巻、昭和法宝総目録3巻)の全100巻から成る。大正蔵・正蔵と略称。
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