軍人手帳は神保町の古書街で古い絵葉書とかその他もろもろの雑物のなかに時たま散見されますね。これちょっと脚色していて、実はそんなに高くない。それから、芸大の美術館で漱石展やっていて、漱石のデスマスクが陳列されている。なに、覗き込んでいたら、ご婦人が傍へ来て一緒に見たということで。
写真展が好きでよく出掛ける。先週は恵比寿の写真美術館で三つの写真展を見た。「日本の写真1968」、「世界報道写真展2013」、「写真のエステ-光、反映、表層、喪失、参照」
それぞれに面白い。
「日本の写真1968」は、昭和43年に軸を据えて、その前、以降の日本の写真界を振り返ったもの。我々が社会へ出た頃だ。日常、事件が活写されている。当時コンテンポラリー写真という運動があった。同時代という意味。カメラマン自身が何を撮っているのか、どんな意味があるのかは判然としなかった写真が、40年たって今見ると、まさに時代を見事に活写していることがよく判る。なつかしく涙ぐむのもある。不思議なものだ。
こういう歴史がぼんやりと綴られて行くのはどういう作用なのだろうか。
さて、フロアを変えて「世界報道写真展2013」。まさにup to dateな写真。爆撃されたガザで死んだ子供を抱いた葬列。パキスタンのDVで夫から酸を浴びせられた女の無惨な顔。アメリカ黒人街の荒廃。現実が、まるで生木を断ち切ったような衝撃で目の前にある。
ふと思う。50年後この写真は、どんな歴史の薄膜を被って未来の人の前にあるのだろうか、と。
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