2013年12月2日月曜日

十一月仁句鑑賞・・・猫跨ぎ

  北海道は完璧に冬ね。今年はJR北海道の事故続きが残念だった。みな旧知の体質がもろに露見したみたいなところがあるなあ。本質的に赤字構造で今後とも独立採算が可能とは思えない。これからどうなって行くんだろう。

・富士の山中央線から冬にいる
中央線からの遠望としての富士山。それが綺麗に冠雪しているのが見えた。沿線が晩秋とすれば、列島に冬が到来しているという実感か。
・アイロンのスチーム止まり時雨かな
アイロンのスチーム音が止まって、外の時雨の音が聞こえたという聴覚の繋がりを言っている。ちょっと微妙なところ。準特選。
・文化の日楠のある小学校
楠は常緑広葉樹。葉を採って、折りまげるとあの独特の香りが匂う。何というか昔の木造校舎が連想されるね。
・小春空インク滲ませ文を書く
周りから万年筆が本当に見られなくなった。贈答記念品とかになってしまったね。でも、神保町の金ペン堂はまだ健在。いつまで続くか。
・暮れ早し学童疎開の兄戻る
学童疎開は我々の年代では直接経験することは無かったが、作者にとって、終戦後かなり経ってからこういう事実があったのだろうか。
・四十ワット突然切れて冬隣
四十ワットはトイレの電球かな。急な闇に、冬到来を感じたということ。我が家の階段の電球取り替えがいつも苦労する。今度はLEDランプにするつもりだけれど。
・日短シャンソン唄ひはじめてる
日の短さとシャンソンの唄と取り合わせはちょっと実感がないけれど、どうかな。
・ジオラマに無口集まり小春かな
ジオラマ―博物館の昔の城下町俯瞰とか、身近には鉄道模型の背景としてのそれ。皆、じっと見入って無口になっている。確かに。
・冬めきて月命日の海の色
まあ、深沈とした心象風景が見える。特選。
・初雪やあらくさ原で嘶きて
荒れ野の馬の嘶きだけれど、初雪とくると、新春の溌溂とした風景となる。準特選。

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