近所の映画好きを集めて映画会をやった。第一回目は制作は十年前の映画だが、井筒和幸監督『パッチギ!』
舞台は1968年の京都。朝鮮高校の生徒と日本人高校生との血みどろのケンカ、友情、恋。
1968年といえば、中国では文革が荒れ狂い、日本では全共闘がゲバ棒で革命ゴッコやっていたころ。昭和43年だから私は新潟の山の中の化学工場で昼休みにテレビで東大紛争の実況中継をのんびりみていたことを思い出す。
『パッチギ!』は朝鮮・韓国と日本人の古くて新しい問題を涙と笑いの究極の青春映画のなかに投影している。初めて観た映画だが、日本と朝鮮の長い歴史を思ってなぜか涙がでてしまった。
中国残留孤児たちの苦難をきいたばかりのせいか、年のせいか涙もろくなったなあ。パッチギとは突き破るという朝鮮語。最近、年老いてゆく中国残留日本人孤児の聞き書きを中国人留学生の通訳協力を交えてはじめた。オーラルヒストリーというか、何か記録として残せないかと考えている。彼らは正確な誕生日を覚えていないが我々と同じ年頃ではないか。壊滅した満蒙開拓団の遺児たち。祖国日本に生きて帰り着きながら、中国語しか話せない「孤児」も多い。日本と中国の近代史に翻弄された人生。
♪悲しくて悲しくてとてもやりきれない
この思いを誰かに告げようか~♪
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