2014年6月19日木曜日

茨木のり子展・・・猫跨ぎ

  茨木のり子展は今月29日まで開催中だね。私は先月行ってきた。
現代の女性詩人のなかで最も人気のある一人か。最近特に。「自分の感受性くらい自分で守れ ばかものよ」の詩句が有名だが、これは勿論自分を叱咤した言葉。
掲示されていた次の下りが率直でいい。「あらゆる仕事 すべてのいい仕事の核には 震える弱いアンテナが隠されている きっと…」。こういう直截な表出は詩という形式なればこそか。俳句と比べてだが。この詩人のイメージはひと言で言えば、「澄明」。庶民の上質な感性そのもののような気がする。
  会場の最後に天井からレースのカーテンで仕切られたコーナーがあって、何かと思わせるが、先立たれた夫、三浦安信とのプライベートに関するもの。文書箱に生前公開されなかった十篇以上の作品が残されていた。それらも一部分陳列されている。「セクス」で始まる赤裸々なものもあって、思わずどきりとする。死後の公表は応諾していたとか。凜としたイメージがこの詩人の印象だが、これらも含めて、この詩人の全体像として記憶されるのだろう。これらの詩篇については、最近出た岩波文庫の詩集に収録されている。  
女性詩人に美人が多いとは私の持論であるが、茨木のり子さんもまた論を待たない。もう一度行こうと思っていたが、ちょっと無理かな。

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