本当に思い出させてくれるね。小倉さん、国兼さんと3人で盤渓の施設に行ったのがもう十年前になるのだろうか。未だ車椅子で微笑みもあった。次は山田さんと褌子さんとの3人で札幌駅に近い時計台病院に行った時は既に横たわったまま寝ており微笑みはもう無かった。そして最後は一人で新札幌の記念塔病院に行った時はかなり荒い呼吸に変っていた。何も言えずに黙って帰ってきた。今になって彼女の愛らしさと優しさが強く思い出される。
それにしても寒い。五稜郭の桜は満開になったのだが毎日花冷えの状態だ。曇っていて兎に角日照時間が無さ過ぎる。桜だけではない木の芽の出方が弱々しいばかりか地面の草花も全く冴えない。どうにかしてくれよと叫びたいくらいだ。ぼやきはまだ続きそうだ。ぼやきながら近作十句。
・ ふらここや一往復にある記憶
・ 花冷や猫背で作る砂利の音
・ 誉め言葉一つも無しに春の往く
・ SLや三歳の春総身に
・ 兄六つ弟いつつ苺かな
・ 泣き笑ひ出来て嬰児風光る
・ 青き踏む問わず語りの岬かな
・ アスパラの曲った先から五月晴
・ 緞帳の下りた連獅子リラの花
・ 釉薬の艶の絡みて新茶くむ
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