2013年10月7日月曜日

「風立ちぬ」を観てきた…国兼

   前に猫跨ぎさんの「風立ちぬ」の投稿で、この映画に「禁煙学会」なるフカシゲナる学会が、有害映画であるというクレームをつけたという内容を読んで、スモーカーの一人としてどんな喫煙シーンを撮っているのかと、宮崎駿監督への友情支援を兼ねて先週久しぶりに映画館に足を運んだ。

 堀越次郎さんの喫煙シーンは、何ということもない友達との会話の中で、或いは設計に没頭し自分の思うように進まないときの一服であろう。なかんずく、「禁煙学会」が極めて悪質で子供たちに見せてはいけない有害映画と言っているシーンは、肺病を患った菜穂子の病床で次郎さんがタバコをふかしていると。馬鹿を言えと、次郎さんは菜穂子を思って外でタバコを吸いに行こうとしたのを菜穂子が言う、「行かないでと、ここで吸っていていいの、1分1秒でもあなたがそばにいて欲しいの」と。
 このような男女のプラトニックな人間の機微を「禁煙学会」なる学会はもっと勉強して欲しいものだ。その存在を鼓舞するための、クレームをつけるための学会ではなく、もっとおおらかなる「風は立ったか?」という宮崎駿監督の心を理解して欲しいものである。

 堀越次郎氏の設計したゼロ戦は、軽量なるを基本設計とし、牛若丸のごとく空中を回り、敏速に敵機の後ろについて攻撃するのが目的であった。まさか、そのゼロ戦が重い爆弾を積んで特攻機となって飛行するとは夢にも思ってもいなかっただろう。大勢の特攻隊兵を無残にも死なせるような飛行機設計を・・・、私が設計したかった飛行機とは戦争のための飛行機設計ではなく、子供たちにも夢を与えるような飛行機なのだと、「風は立ったか」というカプローニ伯爵の繰り返されるレフレインの中で宮崎駿監督は言いたかったのではと・・・。

 ちなみに、次郎さんの吸っていたタバコは「CHERRY」で、灰皿への吸い殻の量からかなりのスモーカーである。このタバコは戦後に(昭和40年代ごろに売り出された)チェリーなるタバコとは別物である。また、ドイツ人の吸っていたタバコは「ゲルべゾルデ」で、昭和50年、60年代にドイツに出張した仲間たちのお土産で吸ったことがあるが、楕円形した珍しいタバコであった。今はもう消滅したのでは。「紅の豚」でもタバコをふかすシーンが多かったが、宮崎監督もきっとかなりのスモーカなのであろう。
 ともあれ、タバコの方ばかりに気を取られて、肝心の映画鑑賞がお留守になってしまった。又、みてこようかなと・・・。

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