今でしょが流行語らしいが、まさに現在進行形の世の中のあれこれを題材にしている。それらと古来の季語のとりあわせが、成功するかどうかが判断のしどころか。
・秋時雨ホームページを見よといふ
・鬼やんま挙りて泥を掻い出せり
・ボイジャーの進む空間神無月
・爽籟やロケット作る町工場
上の二句は、今回の台風、大雨被害のことのようだ。
後の二句は、今も飛行を続ける惑星探査機と大田区などの企業の取り組みのことらしい。
ただ、全般的に好意的に見ている姿勢は理解できるね。
爽籟は秋風の傍題らしいが、こういう難しい季語をあえて使うこともあるまいと思うけれど、どうかな。あとの鬼の子も蓑虫で良いんじゃないか。
・右ひだり踝まはす野分あと
・耳奥からころがり落ちて木の実かな
・塵手水指の先まで牛膝
・物言いのつけ様もなし金木犀
・ユトリロの白引き立ちて秋の風
・鬼の子の一丁前に笑ひけり
これは季節の移ろい、秋到来を詠っている六句。耳奥の句はなにか心象風景らしいが。
塵手水も難しいなあ。いま大相撲でしか使わないんじゃないか。チリを切るとよく言うね。いのこずちを払っている風景か。今年は金木犀の当たり年だったけれどその後の風雨であっという間に終わってしまった。ユトリロは建物の色が何とも言えない白色だね。
蓑虫が笑っているのは、いささかシュール。
踵をまわす句は、ちょっと歯が立たなかった。
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