今週のSciennce 3/21号に2ページにわたって「Irreproducibility Dogs New Reprogramming Method」というタイトルでSTAPの記事が記載された。 2枚の写真が載せられ、一つはリケジョが報道記者たちにSTAP細胞の説明をしている写真(タイトルは Media darling)、もう一つは理研の野依理事長はじめ理研幹部の謝罪の写真(タイトルはApologetic)。内容は日本で報道されたものと同じで、早稲田大学の博士論文に関しても触れている。世界に極めて恥ずべき論文を出したということで、いずれ野依理事長は責任を取ることになるだろうと思う。
Natureに2編の論文が発表された1月29日の2日後のScience1/31号での「Finding」の中でこの画期的な発見を簡単に取り上げている(同じ日にScience Magajineでもこの発見の意義を詳しく、3ページにわたって解説している)。その記述の中では、発見したのはHavard School in Boston and Riken Center in Kobe と、まず筆頭にはハーバード大学がと。今週のSienceでは、Brigham and Women’s Hospital in Boston という名前でハーバードという名が伏せられていたのが何となく笑ってしまった。
リケジョの博士論文にまでコピーペーストをはじめ、本当に自分の実験に基づく論文だったのかという疑惑の火が付いてしまった。彼女が最初の記者会見で述べていた「毎日が今日で最後かと、眠れない日がと、明日でやめようかと…今日まで続けてこれたのは支えてくれた仲間がと・・・」あれは何だったのだろうかと??
私も曲がりなりにも、会社に入って翌年、タイプライターを買って博士論文を作成し、論文審査を受けたが、少なくてもデーターも記述内容も盗作や改竄はない(マア―、外国のジャーナル誌に掲載された論文も、さしたる技術内容でなかったから誰も注目しなかったことだろう)。でも、論文審査の後に、中川先生から呼び止められて、内容はともかく英語のスペルミスや熟語や慣用句がと・・・。イヤー、冷や汗が出たね…。今は昔の話である。
2014年3月27日木曜日
2014年3月26日水曜日
小保方事件・・・猫跨ぎ
小保方事件の顛末がはっきりしてきたね。山梨大学の若山教授が彼女のサンプル改竄の具体的証拠を明らかにしてしまった。STAP細胞は存在しなかった。すべては彼女の改竄(不注意とかではなく)である。改竄の理由は、結局はひたすらなる業績欲しさ。そして誰もそれを事前チェックできなかった。あんな可愛い顔をしてすごいことをやるものだ。
彼女は早稲田の博士課程卒業だが、本当にポストがないらしい。彼女の行為を笑えない悲惨な話は沢山あるのではないか。
しかし倫理観の壁はそれほど低くなっているのか、腐蝕しているのか。まあ、歴史を辿ると今に限らんか。国兼さんのあげた韓国研究者の例がある。(彼は北大獣医学部に留学していた)。すわノーベル賞だと韓国は朝野をあげて沸き立っていたなあ。
旧石器時代の石器発掘を演出した考古学の一大スキャンダルがあった。
しかし、STAP細胞なんか、いずれバレる。それをやってしまうんだから、何というか、矢張り女の浅はかさか。
今回は京大山中教授iPs細胞に対する巻き返しで理研が相当に力を入れていた経緯も言われている。理研は理事長の首飛ぶんじゃないか。巨額の国費を使って、何をママゴト遊びやっているんだ、と。彼女はアメリカへ逃げたらしいが、これからまわりのおいそれと逃げ出せない男たちへの責任問題の追求、処理が始まるのだろう。
彼女は早稲田の博士課程卒業だが、本当にポストがないらしい。彼女の行為を笑えない悲惨な話は沢山あるのではないか。
しかし倫理観の壁はそれほど低くなっているのか、腐蝕しているのか。まあ、歴史を辿ると今に限らんか。国兼さんのあげた韓国研究者の例がある。(彼は北大獣医学部に留学していた)。すわノーベル賞だと韓国は朝野をあげて沸き立っていたなあ。
旧石器時代の石器発掘を演出した考古学の一大スキャンダルがあった。
しかし、STAP細胞なんか、いずれバレる。それをやってしまうんだから、何というか、矢張り女の浅はかさか。
今回は京大山中教授iPs細胞に対する巻き返しで理研が相当に力を入れていた経緯も言われている。理研は理事長の首飛ぶんじゃないか。巨額の国費を使って、何をママゴト遊びやっているんだ、と。彼女はアメリカへ逃げたらしいが、これからまわりのおいそれと逃げ出せない男たちへの責任問題の追求、処理が始まるのだろう。
2014年3月25日火曜日
無題…国兼
東横線と東上線が相互乗り入れで乗り換えなしで繋がり、そのために東上線と横浜線沿線の住民が相互に買い物や観光で賑わい、経済効果も上がっているという。一度乗ってみたいと思い、陽気に誘われ、川越まで遊びに行った。
十数年前、英蔵さんと猫さんと尾瀬に行った際に、この川越で一泊したがが、それ以来である。その時の記憶は定かではないが、人通りも少なく有名な「時の鐘」が侘しくたっていた感じである。
今回(23日(日))に行ったら、蔵通りや駄菓子屋等昔の名残をとどめている小江戸の雰囲気の街を、大勢の観光客でごった返していた。十数年前に見た感じの雰囲気とはまるで異なっていた。近くに川越大師(喜多院:徳川幕府と密接な関係のある寺院らしい)があるというので拝観に行った。大きな寺院で、川崎大師とは比べようもないぐらい広大な、荘厳な建物である。
不思議なことに、別に意図したわけではないのに、今年になって成田の新勝寺と川崎大師、そしてこの川越大師と初めての寺院立て続けに巡ったことになる。これは一体何を意味しているのだろうかと・・・お迎えがと・・・?
ついでにお相撲さんの鶴竜の件、日本人だと思っていたらモンゴル人とは、驚いたね!!!これで横綱3人がすべてモンゴルとは・・・情けないというか、その昔、千代の山フアンで、その後の九重部屋の千代の富士等を応援していた私も最近はまるで相撲に興味を失ってしまった。元寇のときの時宗のように、「ふざけるな」と、一喝する関脇が出て欲しいものである。「遠藤」改め「時宗」に期待したいネ。
十数年前、英蔵さんと猫さんと尾瀬に行った際に、この川越で一泊したがが、それ以来である。その時の記憶は定かではないが、人通りも少なく有名な「時の鐘」が侘しくたっていた感じである。
今回(23日(日))に行ったら、蔵通りや駄菓子屋等昔の名残をとどめている小江戸の雰囲気の街を、大勢の観光客でごった返していた。十数年前に見た感じの雰囲気とはまるで異なっていた。近くに川越大師(喜多院:徳川幕府と密接な関係のある寺院らしい)があるというので拝観に行った。大きな寺院で、川崎大師とは比べようもないぐらい広大な、荘厳な建物である。
不思議なことに、別に意図したわけではないのに、今年になって成田の新勝寺と川崎大師、そしてこの川越大師と初めての寺院立て続けに巡ったことになる。これは一体何を意味しているのだろうかと・・・お迎えがと・・・?
ついでにお相撲さんの鶴竜の件、日本人だと思っていたらモンゴル人とは、驚いたね!!!これで横綱3人がすべてモンゴルとは・・・情けないというか、その昔、千代の山フアンで、その後の九重部屋の千代の富士等を応援していた私も最近はまるで相撲に興味を失ってしまった。元寇のときの時宗のように、「ふざけるな」と、一喝する関脇が出て欲しいものである。「遠藤」改め「時宗」に期待したいネ。
2014年3月23日日曜日
まんさく・・・猫跨ぎ
金縷梅は「まんさく」ですね。細くちりちり伸びた花からファスナーの噛んだ状態に連想が飛んだわけ。俳句のこの連想は瞬時だね。理屈はともかく。
それにしてもこの時期の根室釧路地方の猛吹雪は何とも言えないなあ。大変というか何というか。
ところで、鶴竜が、あれよあれよで横綱だね。地味で全然注目されていなかったが、一度のチャンスをあっさりものにしてしまった。運を掴むときは大体こんなもんだな。堅実でいい横綱になるのではないか。それにつけても、誰もがいうのが稀勢の里のふがいなさだな。先々場所のきょろきょろした集中心のなさはこりゃ駄目だと思った。横綱のタマではないと言うことか。朝青龍以降、このモンゴル力士達に、相手を殲滅する荒々しさを身体の芯に持っているように感じる。稀勢の里にその印象がない。
それにしてもこの時期の根室釧路地方の猛吹雪は何とも言えないなあ。大変というか何というか。
ところで、鶴竜が、あれよあれよで横綱だね。地味で全然注目されていなかったが、一度のチャンスをあっさりものにしてしまった。運を掴むときは大体こんなもんだな。堅実でいい横綱になるのではないか。それにつけても、誰もがいうのが稀勢の里のふがいなさだな。先々場所のきょろきょろした集中心のなさはこりゃ駄目だと思った。横綱のタマではないと言うことか。朝青龍以降、このモンゴル力士達に、相手を殲滅する荒々しさを身体の芯に持っているように感じる。稀勢の里にその印象がない。
函館通信231・・・猫跨ぎ句鑑賞・・・仁兵衛
一昨日8㎝程降雪があった。函館もこれが今年の最後の雪にして貰いたいものだ。しかし低気圧の形、進み方によって局所的に暴風雪になるのは毎年変わるのだろうね。今度の根室はその典型だった様だ。そんな低気圧まで入れた猫跨ぎさんの句は相変わらず面白く鑑賞させて貰いました。
・手袋を前歯で脱いで花市場 ・・・花市場の忙しさが上五・中七の具体的な動作観察でよく伝わってきます。
・雪積むや長押に蟬の釘隠 ・・・最近の北海道の住宅には長押がどうも見当たらない。釘隠を使う様な歴史建造物かな。
・栄螺に渦巻南岸低気圧 ・・・ユーモラスな句ですね。この南岸低気圧が北まで来て発達し暴風雪を引き起こすんだ。準特選。
・ファスナーの噛んで金縷梅花ざかり ・・・金縷梅花ざかり の所がよく解らなかった。
・縄文時代長し蛤焼かれけり ・・・蛤は縄文時代から食べられていたのだろううなー。と感慨にふけさせてくれるのを長しという短い言葉で結んだシンプルさが気に入りました。特選。
・葡萄酒はいつも白なり春ショール ・・・佳人のショールも白色ということかな。
・晩霜や人身事故の遅延あり ・・・雪解けの汚れた雪ばかり見ていると霜の存在を忘れてしまう。
・百葉箱のうしろに伸びる遅日かな ・・・昼間がだんだん永くなって行く味が出ている。
・春陰やペティナイフの腥き・・・不気味さを感じさせる句だなと最初思った。しかしナイフを握って春の曇りがちな空を見上げれば生臭いことばかり思い浮かんできそうな気配だね。準特選。
訂正;重層→重曹
・手袋を前歯で脱いで花市場 ・・・花市場の忙しさが上五・中七の具体的な動作観察でよく伝わってきます。
・雪積むや長押に蟬の釘隠 ・・・最近の北海道の住宅には長押がどうも見当たらない。釘隠を使う様な歴史建造物かな。
・栄螺に渦巻南岸低気圧 ・・・ユーモラスな句ですね。この南岸低気圧が北まで来て発達し暴風雪を引き起こすんだ。準特選。
・ファスナーの噛んで金縷梅花ざかり ・・・金縷梅花ざかり の所がよく解らなかった。
・縄文時代長し蛤焼かれけり ・・・蛤は縄文時代から食べられていたのだろううなー。と感慨にふけさせてくれるのを長しという短い言葉で結んだシンプルさが気に入りました。特選。
・葡萄酒はいつも白なり春ショール ・・・佳人のショールも白色ということかな。
・晩霜や人身事故の遅延あり ・・・雪解けの汚れた雪ばかり見ていると霜の存在を忘れてしまう。
・百葉箱のうしろに伸びる遅日かな ・・・昼間がだんだん永くなって行く味が出ている。
・春陰やペティナイフの腥き・・・不気味さを感じさせる句だなと最初思った。しかしナイフを握って春の曇りがちな空を見上げれば生臭いことばかり思い浮かんできそうな気配だね。準特選。
訂正;重層→重曹
2014年3月20日木曜日
三月投句・・・猫跨ぎ
一日中春の雨。北海道は当分雪模様とか。まあ、この時期はこんなものかな。
三月の投句。
・手袋を前歯で脱いで花市場
・雪積むや長押に蟬の釘隠
・栄螺に渦巻南岸低気圧
・ファスナーの噛んで金縷梅花ざかり
・縄文時代長し蛤焼かれけり
・葡萄酒はいつも白なり春ショール
・晩霜や人身事故の遅延あり
・百葉箱のうしろに伸びる遅日かな
・春陰やペティナイフの腥き
三月の投句。
・手袋を前歯で脱いで花市場
・雪積むや長押に蟬の釘隠
・栄螺に渦巻南岸低気圧
・ファスナーの噛んで金縷梅花ざかり
・縄文時代長し蛤焼かれけり
・葡萄酒はいつも白なり春ショール
・晩霜や人身事故の遅延あり
・百葉箱のうしろに伸びる遅日かな
・春陰やペティナイフの腥き
2014年3月19日水曜日
そういうことであったか 褌子
そうです収差と査読体制の問題です。さすが国兼さんの発言はわかりやすく的を得ています。やっぱり利巧、理工、悧巧、利口、りこーの国兼博士です。逸徳先生も国兼博士に学んで短く要点つくした発言をこころがければ高分子学科にもういっぺん行かずにすみますよ。
レンズ&STAPに関して・・・国兼
逸徳さんが、何故プラ・レンズが高級カメラに使われていないのかという質問、逸徳さんのようにカメラを持っていない方には難しいかもしれないが、高級なレンズは収差(また難しいかもしれないが・・・)を抑えるために複数の複雑なレンズを用いている。レンズ設計はこのレンズの材質の屈折率、厚さ、透過率、各波長での光路等をもとに複雑な設計してこの収差を抑えようとしている。
日本で最初にコンピューターを作ったのは富士フィルムだが、これはこのレンズ設計のためといわれているぐらい、難しい計算である。プラ・レンズのように屈折率が低く、局所的なミクロな結晶化による均一性のない(光の分散)、また温度や湿度(水の吸収)でコロコロ変形するものでは、このような精緻なカメラを作ることができない。だから、変形しても、さほどどうでもいいような「写るんですか」という類の画像品質を問わないカメラ用とか、単一波長のレーザー光を用いた色収差を考慮する必要の無いCDディスク用レンズには使われたりする(ここまでは逸徳さんへの補足説明)。
さて、本題の件
世界最高峰といわれるNatureやScience(両方とも月刊誌でなく週刊誌である)では、提出された論文のうち採用されるのは10%以下といわれている。最終的には専門に近い先生方に査読してもらっている。これは、この2誌以外の著名な物理学会誌であるPhysical Reviewや化学関係のAmerican Chemical Societyもまた同じである。ただ異なるところがあるとすると、投稿される論文が科学分野全般に及んでおり、それだけ論文査読に携わる先生方も各分野にまたがる一流の方々を揃えている点であろう(先に書いたように、いくら一流の先生といっても細分化して専門化した今は、ちょっと分野が異なると正確な判断は難しい)。
STAP細胞の存在は?と。植物では普通に見られる分化した細胞の初期化だけに、リケジョの博士の発見したマウス細胞の「刺激を加えるだけで初期化」するということは、否定はできないことだろう思う。
ただ、言えることは彼女が論文に書いた処方箋ではできないのだろうと・・・。この論文の持つ重要な意味合いから、再生医学という限りなく儲かりそうな特許を網羅しようと製薬会社をはじめとして世界中で追試が、更なる優れたSTAP細胞を作るための競争が始まっているはずであるが、何処からも「再現した」という声が出てこない(iPS細胞の場合はすぐあちこちで追試結果が発表されたものである)。どうしてこのような論文をNatureに発表をしたのかと…不思議でならない。
これを他山の石として、理研はじめ、数々の疑惑の論文を生んだ東大等は率先して研究者の倫理観にもっと真剣に取り組んでほしいものである。
三月仁句鑑賞・・・猫跨ぎ
昨日強烈な春一番。木々の芽吹きが目立ってきた。小保方さんの周辺の人間模様が週刊誌的に報じられるようになって、サイエンスを舞台にした一大スキャンダルを呈してきた。
山中教授のipsが余りに強烈だったので、すわ、俺も、しめた、の願望が殺到したのか。さあ、どんな幕引きで終結するのか。
仁句鑑賞。今回は大人しい身辺句が多かったように思うが。さて。
��.防潮堤まだ途中まで鳥曇
防潮堤の何がまだ途中なのか、特殊な事情があるのか不明だけれど、春未だ来の風情という感覚はわかる。そういうなかにも鳥は季節を感じて帰ってゆく。
��.残雪の上に金属バット音
残雪のなか、球児たちの金属バットの甲高い音が響く。球春とはよく言ったもの。視覚と聴覚が響き合っている。特選。
��.天丼のななめの蓋や風光る
最近の天丼は、やたらトッピングが大きくなって蓋そのものが使えないほど。これはまだ大人しいが、それでも斜めに被せられている。これも春の元気な様だね。
��.白黒の十四インチ朧月
白黒テレビか。それも随分小さい。古物商にももう置いていない。どんな風景かな。
��.水の春渡り廊下は響きをり
どこかの会館の渡り廊下だろうか。靴音が響きわたる。せせらぎが春の風情を物語る。
��.坂の名と友の名隠し春吹雪
季節外れの春の雪が、坂の標示なども隠してしまったということだろう。
��.水温む重層でとる鍋の焦げ
重層は重曹のことかな。この時期、鍋の焦げも綺麗さっぱりとしたい。
��.ぶきっちょな人差指や春三月
春ながら、人差指がイメージ通りの動きをしないということかな。何となく動きのキレが鈍くなってきているのはこちらもご同類だが。ところで春三月はどうかな。八高寮歌に「春三月に」があるらしいが。一般に使われるかなあ。
��.閉院の予定告げられ君子蘭
院長の都合で閉院などは寂しいもの。小生の行きつけの歯科医院も、院長が癌を発病し閉院となった。もう5年以上まえだが。君子蘭は待合室にあるのだろう。準特選。
10.街道のいさば屋の裏春日射す
いさば屋は五十集屋と書いて、魚屋のこと。母親がよく言っていて懐かしい。ニシンなんか連想し、ああ春がきたという感じ。準特選。
山中教授のipsが余りに強烈だったので、すわ、俺も、しめた、の願望が殺到したのか。さあ、どんな幕引きで終結するのか。
仁句鑑賞。今回は大人しい身辺句が多かったように思うが。さて。
��.防潮堤まだ途中まで鳥曇
防潮堤の何がまだ途中なのか、特殊な事情があるのか不明だけれど、春未だ来の風情という感覚はわかる。そういうなかにも鳥は季節を感じて帰ってゆく。
��.残雪の上に金属バット音
残雪のなか、球児たちの金属バットの甲高い音が響く。球春とはよく言ったもの。視覚と聴覚が響き合っている。特選。
��.天丼のななめの蓋や風光る
最近の天丼は、やたらトッピングが大きくなって蓋そのものが使えないほど。これはまだ大人しいが、それでも斜めに被せられている。これも春の元気な様だね。
��.白黒の十四インチ朧月
白黒テレビか。それも随分小さい。古物商にももう置いていない。どんな風景かな。
��.水の春渡り廊下は響きをり
どこかの会館の渡り廊下だろうか。靴音が響きわたる。せせらぎが春の風情を物語る。
��.坂の名と友の名隠し春吹雪
季節外れの春の雪が、坂の標示なども隠してしまったということだろう。
��.水温む重層でとる鍋の焦げ
重層は重曹のことかな。この時期、鍋の焦げも綺麗さっぱりとしたい。
��.ぶきっちょな人差指や春三月
春ながら、人差指がイメージ通りの動きをしないということかな。何となく動きのキレが鈍くなってきているのはこちらもご同類だが。ところで春三月はどうかな。八高寮歌に「春三月に」があるらしいが。一般に使われるかなあ。
��.閉院の予定告げられ君子蘭
院長の都合で閉院などは寂しいもの。小生の行きつけの歯科医院も、院長が癌を発病し閉院となった。もう5年以上まえだが。君子蘭は待合室にあるのだろう。準特選。
10.街道のいさば屋の裏春日射す
いさば屋は五十集屋と書いて、魚屋のこと。母親がよく言っていて懐かしい。ニシンなんか連想し、ああ春がきたという感じ。準特選。
2014年3月18日火曜日
stap細胞さわぎ ・・褌子
逸徳先生が猫師匠に、もういちど高分子学科に行きなさいといわれているので笑ってしまった。学科がなくなっているので逸徳先生も困るだろう。しかし両氏の議論はわたしなどには大変興味深い。
STAP細胞さわぎ(芸人グループはSMAP)の話は今の日本社会を象徴するような話。
論文がネイチュアやサイエンスに採用されて掲載される仕組みを国兼さんにもっと詳しく書いてほしい。小保方さんは無名のひとだから共著者の名前をみてネイチュア編集者が掲載してしまったのだろうか。共著者の山梨大の先生は有名な研究者らしい。たぶん、世界の先頭を走っているとおもっていたらiPS細胞の山中先生に先をこされて、発表を焦ったのではなかろうか。とにかく今は大学も研究機関も独立行政法人化して、成果を早く出して有名になったところにのみ国の予算がたくさんおりるようになってしまった。その弊害が出たような気がする。小保方さんの割烹前掛けスタイルもまわりのやらせだったそうだ。まだ30才の彼女のこれからの研究生活が心配。しかしコピペはいけない。研究者としての最小限の道徳もいまは教える先生が身近にいないのだろうか。中川先生は実験データの偽造をきびしくいましめていたなあ。
文学の世界では他人の著作の盗用がわかれば一巻の終わりだ。わたしの記憶に残るのは池宮彰一郎の司馬遼太郎作品からの引用疑惑。『四十七人の刺客』は吉良邸に討ち入った赤穂浪士の戦闘場面に非常に迫真性があって、そのご池宮作品をいくつか読んでいるうちに、司馬作品からの剽窃個所が次々とマスコミで話題になり、けっきょく文学界から抹殺されてしまった。
安倍首相の「放射能は完全にブロック」、TPPの聖域死守という自民党公約、野田前首相の「原発事故は収束」、現代のベートーベン神話、東大森口特任研究員のiPS細胞臨床応用成功などウソが蔓延している現代日本である。
STAP細胞さわぎ(芸人グループはSMAP)の話は今の日本社会を象徴するような話。
論文がネイチュアやサイエンスに採用されて掲載される仕組みを国兼さんにもっと詳しく書いてほしい。小保方さんは無名のひとだから共著者の名前をみてネイチュア編集者が掲載してしまったのだろうか。共著者の山梨大の先生は有名な研究者らしい。たぶん、世界の先頭を走っているとおもっていたらiPS細胞の山中先生に先をこされて、発表を焦ったのではなかろうか。とにかく今は大学も研究機関も独立行政法人化して、成果を早く出して有名になったところにのみ国の予算がたくさんおりるようになってしまった。その弊害が出たような気がする。小保方さんの割烹前掛けスタイルもまわりのやらせだったそうだ。まだ30才の彼女のこれからの研究生活が心配。しかしコピペはいけない。研究者としての最小限の道徳もいまは教える先生が身近にいないのだろうか。中川先生は実験データの偽造をきびしくいましめていたなあ。
文学の世界では他人の著作の盗用がわかれば一巻の終わりだ。わたしの記憶に残るのは池宮彰一郎の司馬遼太郎作品からの引用疑惑。『四十七人の刺客』は吉良邸に討ち入った赤穂浪士の戦闘場面に非常に迫真性があって、そのご池宮作品をいくつか読んでいるうちに、司馬作品からの剽窃個所が次々とマスコミで話題になり、けっきょく文学界から抹殺されてしまった。
安倍首相の「放射能は完全にブロック」、TPPの聖域死守という自民党公約、野田前首相の「原発事故は収束」、現代のベートーベン神話、東大森口特任研究員のiPS細胞臨床応用成功などウソが蔓延している現代日本である。
函館通信230・・・雪解・・・仁兵衛
日本国中暖かくなって来たようですね。函館もやっと真冬日から脱出して最高気温が5℃近くまで上がるようになりました。積雪量も50㎝止まりでマンションの有料除雪もどうやら一回で済みそうです。これからの雪は水分も多く積っても直ぐに解けるでしょう。
暖かくなって来て体の動きもそれに応じて軽くなればいいのですがパーキンソンはどうもそういかないらしくじわっと腰、大腿部、ふくらはぎが固縮して歩行を困難にさせています。最近、パーキンソン用に貼付薬を処方されました。果たしてどんな効果が表れるか期待しているところです。
草花も咲いていない、春を感じさせないこの時期が一番面白くない時期ですが十句どうにか作りました。宜しく。
��.防潮堤まだ途中まで鳥曇
��.残雪の上に金属バット音
��.天丼のななめの蓋や風光る
��.白黒の十四インチ朧月
��.水の春渡り廊下は響きをり
��.坂の名と友の名隠し春吹雪
��.水温む重層でとる鍋の焦げ
��.ぶきっちょな人差指や春三月
��.閉院の予定告げられ君子蘭
10.街道のいさば屋の裏春日射す
暖かくなって来て体の動きもそれに応じて軽くなればいいのですがパーキンソンはどうもそういかないらしくじわっと腰、大腿部、ふくらはぎが固縮して歩行を困難にさせています。最近、パーキンソン用に貼付薬を処方されました。果たしてどんな効果が表れるか期待しているところです。
草花も咲いていない、春を感じさせないこの時期が一番面白くない時期ですが十句どうにか作りました。宜しく。
��.防潮堤まだ途中まで鳥曇
��.残雪の上に金属バット音
��.天丼のななめの蓋や風光る
��.白黒の十四インチ朧月
��.水の春渡り廊下は響きをり
��.坂の名と友の名隠し春吹雪
��.水温む重層でとる鍋の焦げ
��.ぶきっちょな人差指や春三月
��.閉院の予定告げられ君子蘭
10.街道のいさば屋の裏春日射す
2014年3月17日月曜日
光透過率・・・猫跨ぎ
要求水準が高くなると、光の透過性が、無機ガラスに比べ、有機高分子材料は今一劣ることが問題になるんだろうね。光との相互作用がどうしても高いから。こういう化学的な要素が今度は効いてくるということだろう。
そうなんだ・・・・逸徳
なるほどなあ おいらとしては結晶性のプラスチックが透明性を阻害することは知っていたが、いわれてみればなるほどなあ。不勉強。グスン・・・
反省 しかしだ、では未だに高級レンズがなぜプラスチックになれないのか? なんとなく無定形個体の状況の中を光が通過するのに、分子のミクロな不均一さがからむようなイメージがとれんのだが・・・ それが、均質性と高分子性が同義だといわれるとなーるほどと思うが、イメージがついていかん。やっぱり、メガネや使い捨てカメラのような、ある程度のばらつきが許容できるものしかプラスチックになっていないのはなぜだろう。なんか気になる。
反省 しかしだ、では未だに高級レンズがなぜプラスチックになれないのか? なんとなく無定形個体の状況の中を光が通過するのに、分子のミクロな不均一さがからむようなイメージがとれんのだが・・・ それが、均質性と高分子性が同義だといわれるとなーるほどと思うが、イメージがついていかん。やっぱり、メガネや使い捨てカメラのような、ある程度のばらつきが許容できるものしかプラスチックになっていないのはなぜだろう。なんか気になる。
もう一度… ・・・猫跨ぎ
根本的に認識がなっていない。もう一度高分子学科へ行きなさい。
「確かに鎖状高分子が糸まりのように絡まりあっているイメージは、光学的に均質であるという要求とは一致しにくい」
これは真逆だ。糸まりのように絡まり合っているさまが、まさに無定型、無秩序の極みでつまり巨視的には均質ということなのだ。つまり「高分子性」は無定型と同義であり、透明性を阻害しない。
ところが、ポリエチレンなんかのように分子が並んで結晶(球晶という)を形成すると光を散乱するようになって、透明性を失う。
「ところがその後しばらくして使い捨てフィルム(カメラのことね)が世に出る。あのレンズはプラスチックであった。それに驚いたという会話を誰かとした記憶がある。 で質問はこういうことである。① なぜわれわれのころまでプラスチックは光学レンズには無理だと考えられていたのか。その理由は何か。 ② その後光学レンズにプラスチックがつかえるようになった理由はなぜなのか。 そもそも①の理由はうえにおいらがのべたような説明でいいのかなあ。」
結論をいうと、なかなかガラスのようにレンズが出来なかったのは、高屈折率のプラスチックが出来なかったから。あとは不純物の精製の技術の進歩を待ったということか。これらがクリアされてプラスチックレンズが出回るようになった。
「確かに鎖状高分子が糸まりのように絡まりあっているイメージは、光学的に均質であるという要求とは一致しにくい」
これは真逆だ。糸まりのように絡まり合っているさまが、まさに無定型、無秩序の極みでつまり巨視的には均質ということなのだ。つまり「高分子性」は無定型と同義であり、透明性を阻害しない。
ところが、ポリエチレンなんかのように分子が並んで結晶(球晶という)を形成すると光を散乱するようになって、透明性を失う。
「ところがその後しばらくして使い捨てフィルム(カメラのことね)が世に出る。あのレンズはプラスチックであった。それに驚いたという会話を誰かとした記憶がある。 で質問はこういうことである。① なぜわれわれのころまでプラスチックは光学レンズには無理だと考えられていたのか。その理由は何か。 ② その後光学レンズにプラスチックがつかえるようになった理由はなぜなのか。 そもそも①の理由はうえにおいらがのべたような説明でいいのかなあ。」
結論をいうと、なかなかガラスのようにレンズが出来なかったのは、高屈折率のプラスチックが出来なかったから。あとは不純物の精製の技術の進歩を待ったということか。これらがクリアされてプラスチックレンズが出回るようになった。
誰か教えてくれ・・・逸徳
高分子OBのみなさんにうまい説明を教えていただきたいことがおこりました。 実はあるところで高分子OBだろということで、質問されたがうまく答えられず気になっているので。 話は光学レンズとプラスチックについてです。 今は、プラスチックレンズというのは当たり前になったのですが、おいらたちが学生のころは、光学系にプラスチックを使うことは、考えられなかったのではなかったか。 たしか、先輩のだれかと会話した記憶があるのだが、あのころ学科に求人ということで、日本光学からの募集があって話題になったおもいでがある。 内容は、光学ガラスは極めて均質な性質を要求されるのだが、プラスチックのような非晶物質はそれができない、あるいはきわめて困難(その当時として)なので、レンズにプラスチックを使うなんてとても考えられない、だからいったい日本光学は高分子出身者を何に使うんだ、というような話題だった。確かに鎖状高分子が糸まりのように絡まりあっているイメージは、光学的に均質であるという要求とは一致しにくい。 そこで、われわれの時代まではレンズは確かに必ずガラスだった。 ところがその後しばらくして使い捨てフィルムが世に出る。あのレンズはプラスチックであった。それに驚いたという会話を誰かとした記憶がある。 で質問はこういうことである。① なぜわれわれのころまでプラスチックは光学レンズには無理だと考えられていたのか。その理由は何か。 ② その後光学レンズにプラスチックがつかえるようになった理由はなぜなのか。 そもそも①の理由はうえにおいらがのべたような説明でいいのかなあ。 諸兄の鋭敏なる才能で、馬にもわかるような解説をしていただきたい。 お礼は、・・・・・ 私めの熱いハグで。
2014年3月16日日曜日
一体全体・・・猫跨ぎ
本当にインチキだったのかな。写真の使い回し、公的なペーパーからの無断転載など、常識以前の行為が厳しく問われているのは当然として、STAP細胞そのものは本当のところどうなのか。ハーバード大の一教授がえらく頑張って擁護しているのが気になる。再度どんでん返しになったりして。
このままだと理研が、何より早稲田が傷ついたな。科学者養成の根底を問われる。そしてノーベル賞に繋がる基礎研究はやっぱり官学だみたいな常識に風穴をあけたのは快挙だと思っていたが。
彼女一人が叩かれている感があるが、他の共同研究者はどうなんだ。勝ち馬に乗るみたいに名前を載せていただけなのか。
しかし、天国から一転地獄へ、が妙に続くなあ。猪瀬、佐村河内、そして今回。
このままだと理研が、何より早稲田が傷ついたな。科学者養成の根底を問われる。そしてノーベル賞に繋がる基礎研究はやっぱり官学だみたいな常識に風穴をあけたのは快挙だと思っていたが。
彼女一人が叩かれている感があるが、他の共同研究者はどうなんだ。勝ち馬に乗るみたいに名前を載せていただけなのか。
しかし、天国から一転地獄へ、が妙に続くなあ。猪瀬、佐村河内、そして今回。
STAPよ、お前もか!!!…国兼
昨日のニュースで、理研の野依理事長自らが出席してNatureに発表したSTAPの論文に関して謝罪の記者会見を開いていた。ここまで論文の信憑性を疑われたらやむを得ないことだと思う。
1月末のSTAPのニュースを聞いた時には、リケジョのこんな若い女性がこんな大発見をと。細胞の初期化という点で、一昨年にノーベル賞をもらった山中博士のiPS細胞の発見を凌駕するような発見だと、私だけでなく、日本の多くの人はそう思ったに違いない。 そう思ったのは、理研という看板、共著研究者の看板、Natureという看板、いくら理研の看板でもリケジョのみの論文だったらNatureも突っぱねたていただろうに。
Scienceでも3年ほど前に「ヒ素生物」という論文で世間の注目を集めたが、あちこちの研究所での追試研究の結果、培養液に微量に存在していたリンの存在で間違いだったことが証明された。NatureにしろScienceにしろこの手の不正な、或いは間違った論文を排除すべく論文審査を慎重に行っているはずであるが、研究が細分化され、専門化された今では限界がある。後は、研究者の倫理観に待つしかないのかもしれない。
リケジョの博士も論文が最初Natureに突っ返された時点で、何回も再現したという再現実験と、ゆるぎないデーターを示す時間はあったはずなのに、何故にと???論文共著の先生がたも博士との短い研究付き合いの中ではあれ、「まさか」と、歯ぎしりしていることだろう。
ともあれ、理研という日本の最高峰の研究所の一つの恥ずべき汚点として、これからも語り継がれる事件であり、10年ほど前のお隣のソール大学の「偽ドーリー羊」論文を笑っていられなくなった。
2014年3月14日金曜日
早春賦 ・・褌子
二月九日の何十年ぶりかの大雪から一カ月たった。
夜来の雨もやんで久しぶりに庭にでたら、ヤマボウシ、椿や冬青(そよご)などの枝が折れている。めったに雪が降らない千葉の樹木はたまの雪にめっぽう弱い。「雪折れ」は冬の季語だがこういうとき俳句がさっと浮かばないのが残念。
一月には咲いていた水仙はいったん雪に押しつぶされたが、また立ち上がってすっかり咲きくたびれている風情。フキノトウも十数センチも伸びてとっくに薹がたっている。ホトトギスやシランは大きく芽を伸ばしているし、シュンランも花芽をめいっぱいふくらませて今にも蕾が開きそう。暮れに数ミリの根を植え替えておいた桜草が鮮やかな可憐な新葉を黒土の上に少し見せているのがうれしい。ギボウシはまだ芽がでていないがもう少し気温があがれば突端を土から覗かせ、威勢良く伸びるにちがいない。
ロウバイはとっくに散ったが、沈丁は芳香をふりまいているしサンシュユは黄色い小さな花を盛んにつけている。利休梅も芽をふくらませて今にも咲きそう。木蓮の大きすぎる花芽よりもクロモジの少し赤みを帯びた小さな葉芽が何ともかわいい。
草木の芽がいっせいに競って萌え出る早春のころは一年でいちばん好きなとき。
菜の花や きのうの嵐けふの富士
夜来の雨もやんで久しぶりに庭にでたら、ヤマボウシ、椿や冬青(そよご)などの枝が折れている。めったに雪が降らない千葉の樹木はたまの雪にめっぽう弱い。「雪折れ」は冬の季語だがこういうとき俳句がさっと浮かばないのが残念。
一月には咲いていた水仙はいったん雪に押しつぶされたが、また立ち上がってすっかり咲きくたびれている風情。フキノトウも十数センチも伸びてとっくに薹がたっている。ホトトギスやシランは大きく芽を伸ばしているし、シュンランも花芽をめいっぱいふくらませて今にも蕾が開きそう。暮れに数ミリの根を植え替えておいた桜草が鮮やかな可憐な新葉を黒土の上に少し見せているのがうれしい。ギボウシはまだ芽がでていないがもう少し気温があがれば突端を土から覗かせ、威勢良く伸びるにちがいない。
ロウバイはとっくに散ったが、沈丁は芳香をふりまいているしサンシュユは黄色い小さな花を盛んにつけている。利休梅も芽をふくらませて今にも咲きそう。木蓮の大きすぎる花芽よりもクロモジの少し赤みを帯びた小さな葉芽が何ともかわいい。
草木の芽がいっせいに競って萌え出る早春のころは一年でいちばん好きなとき。
菜の花や きのうの嵐けふの富士
3.1ビキニデーについて・・・・逸徳
突然無粋な話ですまない。実は、最近ショックな話を聞いたので、それをあるところに書いたのだが、腹が立ってしょうがない。 そこで、その拙文のコピーをみんなにも読んでもらおうと思い、ここに貼り付ける。 暇なときに読んで。
3.1ビキニデーとは今から60年前に、ビキニ環礁でアメリカ核実験に遭遇被曝した第五福竜丸事件のことを記念した日のことである。こちら静岡では大変有名な事件であり、最近藤枝の高校生や大学生のグループが、これを記念して彼らのちからだけである映画をつくった監督を招いてちいさな講演会を開いた。関係があり招待されたので、そこに出席したときの話である。
・・・・・・映画のタイトルは「放射線を浴びたX年後」、そして監督は伊東英朗氏、もと四国の南海放送のプロデューサーである。彼は、講演の最初にこういったのである。 「長い間の反核、平和運動に携わった方々の熱意と努力に深い敬意を表しながらも、わたしは3.1ビキニデーという言葉をやめていただきたいと思う・・・・」 ビキニデーといえば、第五福竜丸の被災と原爆マグロ、そして久保山愛吉さんという犠牲がはらわれたことなど、こういう問題に深い関心を持つ人でもこういうことしか頭に浮かんでこないのが大多数ではないだろうか。では彼はなぜそのいわば平和運動のひとつのシンボルともなった「ビキニデー」という言葉に異議をとなえるのだろうか。 それはこういうことである。
アメリカが南太平洋で行った核実験は1946年から1962年まで、実に122回におよぶ。第五福竜丸事件は1954年3月1日ビキニ環礁でおこなった水爆ブラボーにかかわる事件であって、実はこの時期に前後して被曝した日本の船は延べ1000隻を超える。(もちろん漁船だけではない) 第五福竜丸は実はその中の1件に過ぎないのである。そしてそこにスポットがあてられた結果、他の船の被曝が今わすれさられようとしているというのである。伊東氏はその実態を南海放送のプロデューサーとして8年にわたって追跡した。その結果を集大成したのがこの映画なのだ。繰り返すが第五福竜丸はほんの一つの例に過ぎないと監督は強調した。そして映画は多くの国際賞を受賞した。
このことについては、さらに驚くべき事実が隠されていた。その後核実験による放射能汚染は全地球的に広がり、海は汚れ、汚染された魚は日本近海でも水揚げされるようになった。(伊豆沖でもとれている)そして全国に放射能汚染の雨がふりそそいだ。魚の汚染について、最初政府はいくつかの港を指定して、すべて遠洋漁船にそこに帰港するよう指示し、放射能検査を実施した。100cpm以下の肴は全部廃棄されたのである。いわゆる原爆マグロという事件をご記憶の方もおられるだろう。ところがである。 1955年、当時の岡崎外相はアメリカと交渉し200万ドルの賠償金で補償をすべて打ち切る。その金は、第五福竜丸乗組員の治療や、漁業関係者への補償などに使われることになる。
一方で、アメリカエネルギー省のサイトにアクセスすると、多くのかっては機密文書だった資料を見ることができる。 それによれば、アメリカは日本列島の被曝を予想していたのである。 そして、汚染はアメリカ大陸にも届いている。だが、それによって核実験は中止されなかったのだ。
だが問題はそこにあるのではない。それとともに政府は1955年12月をもって水揚げされた魚に対する放射能検査を一切中止する。もちろんそれ以後、魚がきれいになったわけではない。国民は、汚染魚をそのまま食べさせられたのだ。 ひとつのデータがある。政府発表でも857隻の漁船が被害を受け、廃棄されたいわゆる原爆マグロは457トンに達した。その多くが築地の魚市場の地下に埋められたのである。その汚染度の高さは、福島原発事故汚染土壌の比ではない。だが457トンを857隻で割ると、一隻あたり533キロにしかならない。つまり汚染魚はこれっぽっちのわけがないのである。では、その他の汚染魚はどこにいったのか。この時期から、暴落した漁価に対する対応として、魚肉ソーセージの大増産がはじまる。 つまり、おそらく我々は、汚染魚の多くを食べてしまったのである。(築地の移転が話題になっているが、あのマグロの場所掘り返すのかなあ。すごい線量だと思いますぞ)
被曝船の船乗りたちからは、専門家も認める放射線による健康被害が続出する。推定2万人。そして、被爆者手帳を申請した被害者は、今もって1件も申請は受理されていない。 理由は、被爆者に対する援護の法的裏付けはヒロシマナガサキに対する者のみとなっているからである。 法を理由にして、不正義をなす悪人を法匪という。 ビキニ以後60年。 彼らを救済しようとする官僚も政治家もついに一人としてあらわれなかった。 つまり彼らは、関係者が死に絶えるのをじっとまっているのである。 これを法匪とよばずしてなんといえばいいか。 そして、われわれはそういう国の国民なのだ。
核実験の影響は未だにおさまっていない。 1957年には福岡で34万カウントの雨が降る。これは年間で24000ミリシーベルトに達するのである。 このような雨は、当時全国でふった。山形で10万カウント 長崎で8万カウント・・・ そしてこの雨に含まれる放射性物質がもしセシウム137なら半減期は30年 ストロンチウム90なら29年、したがってその当時の放射能の雨の1/4はまだ地上に残っている計算になる。そして、もっとも強い放射能の雨がふったのが、沖縄なのだ。天水を飲料にしている島も多かった沖縄である。ああ・・・
書いているだけで吐き気がしてくる。 60年前の歴史は終わっていない。福島の事故をみて関係者は、猛烈な既視感におそわれるそうである。
だが、このような被曝した船の実態をこつこつと掘り起こしてきた高知の高校生たちがいる。その活動をまた紹介してみたい。 若い人たちもすてたものではないのだ。いい大人がついていれば。
3.1ビキニデーとは今から60年前に、ビキニ環礁でアメリカ核実験に遭遇被曝した第五福竜丸事件のことを記念した日のことである。こちら静岡では大変有名な事件であり、最近藤枝の高校生や大学生のグループが、これを記念して彼らのちからだけである映画をつくった監督を招いてちいさな講演会を開いた。関係があり招待されたので、そこに出席したときの話である。
・・・・・・映画のタイトルは「放射線を浴びたX年後」、そして監督は伊東英朗氏、もと四国の南海放送のプロデューサーである。彼は、講演の最初にこういったのである。 「長い間の反核、平和運動に携わった方々の熱意と努力に深い敬意を表しながらも、わたしは3.1ビキニデーという言葉をやめていただきたいと思う・・・・」 ビキニデーといえば、第五福竜丸の被災と原爆マグロ、そして久保山愛吉さんという犠牲がはらわれたことなど、こういう問題に深い関心を持つ人でもこういうことしか頭に浮かんでこないのが大多数ではないだろうか。では彼はなぜそのいわば平和運動のひとつのシンボルともなった「ビキニデー」という言葉に異議をとなえるのだろうか。 それはこういうことである。
アメリカが南太平洋で行った核実験は1946年から1962年まで、実に122回におよぶ。第五福竜丸事件は1954年3月1日ビキニ環礁でおこなった水爆ブラボーにかかわる事件であって、実はこの時期に前後して被曝した日本の船は延べ1000隻を超える。(もちろん漁船だけではない) 第五福竜丸は実はその中の1件に過ぎないのである。そしてそこにスポットがあてられた結果、他の船の被曝が今わすれさられようとしているというのである。伊東氏はその実態を南海放送のプロデューサーとして8年にわたって追跡した。その結果を集大成したのがこの映画なのだ。繰り返すが第五福竜丸はほんの一つの例に過ぎないと監督は強調した。そして映画は多くの国際賞を受賞した。
このことについては、さらに驚くべき事実が隠されていた。その後核実験による放射能汚染は全地球的に広がり、海は汚れ、汚染された魚は日本近海でも水揚げされるようになった。(伊豆沖でもとれている)そして全国に放射能汚染の雨がふりそそいだ。魚の汚染について、最初政府はいくつかの港を指定して、すべて遠洋漁船にそこに帰港するよう指示し、放射能検査を実施した。100cpm以下の肴は全部廃棄されたのである。いわゆる原爆マグロという事件をご記憶の方もおられるだろう。ところがである。 1955年、当時の岡崎外相はアメリカと交渉し200万ドルの賠償金で補償をすべて打ち切る。その金は、第五福竜丸乗組員の治療や、漁業関係者への補償などに使われることになる。
一方で、アメリカエネルギー省のサイトにアクセスすると、多くのかっては機密文書だった資料を見ることができる。 それによれば、アメリカは日本列島の被曝を予想していたのである。 そして、汚染はアメリカ大陸にも届いている。だが、それによって核実験は中止されなかったのだ。
だが問題はそこにあるのではない。それとともに政府は1955年12月をもって水揚げされた魚に対する放射能検査を一切中止する。もちろんそれ以後、魚がきれいになったわけではない。国民は、汚染魚をそのまま食べさせられたのだ。 ひとつのデータがある。政府発表でも857隻の漁船が被害を受け、廃棄されたいわゆる原爆マグロは457トンに達した。その多くが築地の魚市場の地下に埋められたのである。その汚染度の高さは、福島原発事故汚染土壌の比ではない。だが457トンを857隻で割ると、一隻あたり533キロにしかならない。つまり汚染魚はこれっぽっちのわけがないのである。では、その他の汚染魚はどこにいったのか。この時期から、暴落した漁価に対する対応として、魚肉ソーセージの大増産がはじまる。 つまり、おそらく我々は、汚染魚の多くを食べてしまったのである。(築地の移転が話題になっているが、あのマグロの場所掘り返すのかなあ。すごい線量だと思いますぞ)
被曝船の船乗りたちからは、専門家も認める放射線による健康被害が続出する。推定2万人。そして、被爆者手帳を申請した被害者は、今もって1件も申請は受理されていない。 理由は、被爆者に対する援護の法的裏付けはヒロシマナガサキに対する者のみとなっているからである。 法を理由にして、不正義をなす悪人を法匪という。 ビキニ以後60年。 彼らを救済しようとする官僚も政治家もついに一人としてあらわれなかった。 つまり彼らは、関係者が死に絶えるのをじっとまっているのである。 これを法匪とよばずしてなんといえばいいか。 そして、われわれはそういう国の国民なのだ。
核実験の影響は未だにおさまっていない。 1957年には福岡で34万カウントの雨が降る。これは年間で24000ミリシーベルトに達するのである。 このような雨は、当時全国でふった。山形で10万カウント 長崎で8万カウント・・・ そしてこの雨に含まれる放射性物質がもしセシウム137なら半減期は30年 ストロンチウム90なら29年、したがってその当時の放射能の雨の1/4はまだ地上に残っている計算になる。そして、もっとも強い放射能の雨がふったのが、沖縄なのだ。天水を飲料にしている島も多かった沖縄である。ああ・・・
書いているだけで吐き気がしてくる。 60年前の歴史は終わっていない。福島の事故をみて関係者は、猛烈な既視感におそわれるそうである。
だが、このような被曝した船の実態をこつこつと掘り起こしてきた高知の高校生たちがいる。その活動をまた紹介してみたい。 若い人たちもすてたものではないのだ。いい大人がついていれば。
2014年3月12日水曜日
七尾・・・猫跨ぎ
まだ髷を結えぬ遠藤が大関、横綱を相手にこてんぱに転がされている。まあ順当なところだろう。やはり横綱はダテに張っているのではないらしい。
遠藤は能登の穴水町出身。その南に七尾市がある。
芭蕉の連句、猿蓑を読んでいたら次の下りがあった。
・・・
道心のおこりは花のつぼむ時 去来
能登の七尾の冬は住みうき 凡兆
魚の骨しはぶる迄の老を見て 芭蕉
・・・
ちょっと冴えない場面で、辺鄙で住み憂き場所として登場している。
天然の良港で、北前船で賑わったはずだが。
遠藤は能登の穴水町出身。その南に七尾市がある。
芭蕉の連句、猿蓑を読んでいたら次の下りがあった。
・・・
道心のおこりは花のつぼむ時 去来
能登の七尾の冬は住みうき 凡兆
魚の骨しはぶる迄の老を見て 芭蕉
・・・
ちょっと冴えない場面で、辺鄙で住み憂き場所として登場している。
天然の良港で、北前船で賑わったはずだが。
2014年3月7日金曜日
卵かけご飯・・・こんし
いま東京の神保町です。チラチラ雪が降ってきました。岩波ホールで「家族の灯り」という映画みて、卵かけご飯200円、岩海苔100円、それに八海山1合400円を熱燗で注文して締めて700円でとても幸せな気持ちになったところ。お酒は食券販売機では八海山となっていたのに出てきたのは菊正宗だったが細かいことは気にしないことにした。卵かけご飯が実にうまかった。実は岩波ホールに「みつばちの大地」というドイツ・オーストリア・スイス合作映画を観にきたのだが5月からのロードショーだというので細かいことは気にしないでシニア料金で仕方なくみた「家族の祈り」も少し途中で寝たがいい映画であったので機嫌をなおして菊正宗を美味しくいただいた。しかしシニア料金なのに1500円は高い、非常に気になった。
2014年3月5日水曜日
地鳴りのような・・・猫跨ぎ
地鳴りのような事件が世界のあちこちで起こっている。雲南省の昆明でウィグル族(中国政府発表)の10人ほどの反国家グループが、駅の雑踏でいきなり刀を振り回して29名を殺害、100人以上を傷つけたとか。29名という発表が疑問視されている。30名以上の事件になると現地の治安担当者が責任を問われるからで、実際にはもっと多いとか。この事件よく判らないなあ。仮にウィグルの独立運動グループとして、権力の出先機関の治安警察を襲うのならわかるが、雲南の無辜の大衆に刃を向ける意図が奈辺にあるのか。判らないが、多分、想像を絶した狂暴な怒り、絶望が背景にあるのに違いない。
ウクライナの紛争もそうだな。ソ連時代はロシア、ウクライナは一体と見られていたから、クリミア半島の帰属など、どっちでもいいだろうくらいだった。解説を見ると、ウクライナ西部はヨーロッパにもともと近い民族で、戦後のどさくさにスターリンの意図でロシア側に帰属させたとか。そんな時の権力者の恣意的な線引きが、綻びを見せてきた。
今は、新帝国主義の時代という人がいるが、その内実には、こういう民族問題がある。かって民族を越えて政治的、意図的に括られた版図が、いま民族毎の形を求めての分解過程にあるという認識をあらたにするね。
ウクライナの紛争もそうだな。ソ連時代はロシア、ウクライナは一体と見られていたから、クリミア半島の帰属など、どっちでもいいだろうくらいだった。解説を見ると、ウクライナ西部はヨーロッパにもともと近い民族で、戦後のどさくさにスターリンの意図でロシア側に帰属させたとか。そんな時の権力者の恣意的な線引きが、綻びを見せてきた。
今は、新帝国主義の時代という人がいるが、その内実には、こういう民族問題がある。かって民族を越えて政治的、意図的に括られた版図が、いま民族毎の形を求めての分解過程にあるという認識をあらたにするね。
2014年3月4日火曜日
大反響? ・・ 褌子
猫跨ぎさんありがとうございます。
キナバル山の写真はフェースブックに発表したら今のところたったお一人ですが大反響?がありました。■坂本俊一郎氏 ステキな写真ですね。まるで、右横のススキが、箒のように、左から雲間をス~と引いてきれたおかげで、山の風景が綺麗に現れたとも見えましたよ(笑)■西沢昭裕 坂本さん身に余る激賞ありがとうございます。ボルネオのキナバル山。東南アジア最高峰4905メートル。2月25日に撮ったばかり。撮影者は女房でして・・・■坂本俊一郎氏 それは、それは。奥様もステキなセンスの持ち主ですね。感服しました。
◎次の亞彌繁な文字列は千字文? いや般若心経? いやちがうなあ難蛇楼変痴倫なお経だな?
♪~■山片田芦田吉山鳩橋石岸田池藤佐中田木三田福平大東伊木鈴根曽中下竹野宇部海沢宮川細田羽山村本橋渕小森泉小倍安田福生麻山鳩菅田野倍安 ヒント ⇒後ろから読む
戦後70年歴代33人の首相名。いやあ随分替わりましたなあ。いまが「新しい戦前」にならぬようにがんばらねば
キナバル山の写真はフェースブックに発表したら今のところたったお一人ですが大反響?がありました。■坂本俊一郎氏 ステキな写真ですね。まるで、右横のススキが、箒のように、左から雲間をス~と引いてきれたおかげで、山の風景が綺麗に現れたとも見えましたよ(笑)■西沢昭裕 坂本さん身に余る激賞ありがとうございます。ボルネオのキナバル山。東南アジア最高峰4905メートル。2月25日に撮ったばかり。撮影者は女房でして・・・■坂本俊一郎氏 それは、それは。奥様もステキなセンスの持ち主ですね。感服しました。
◎次の亞彌繁な文字列は千字文? いや般若心経? いやちがうなあ難蛇楼変痴倫なお経だな?
♪~■山片田芦田吉山鳩橋石岸田池藤佐中田木三田福平大東伊木鈴根曽中下竹野宇部海沢宮川細田羽山村本橋渕小森泉小倍安田福生麻山鳩菅田野倍安 ヒント ⇒後ろから読む
戦後70年歴代33人の首相名。いやあ随分替わりましたなあ。いまが「新しい戦前」にならぬようにがんばらねば
2014年3月2日日曜日
ボルネオ・・・猫跨ぎ
キナバル山を眺める写真はなかなかいいね。奥方のカメラワークは大したものだ。この山は休火山で年5mmも成長しているとか。近々活動を再開するのでないのかな。火山がないので窒素燐酸カリ成分が欠乏するという理由をそのうちにお願いしたい。
ボルネオと言えば、会社にいたころの或る事件を思い出した。私の何年か上の人が、某商社経営のメタノール工場(多分)の工場長として派遣されていた。朝のジョギング中に、地元の車にはねられて頭部を打ち、意識不明。しかしボルネオでは救命治療はできず、ヘリでシンガポールへ移送されたが、間に合わず亡くなった、ということがあった。
ボルネオと言えば、会社にいたころの或る事件を思い出した。私の何年か上の人が、某商社経営のメタノール工場(多分)の工場長として派遣されていた。朝のジョギング中に、地元の車にはねられて頭部を打ち、意識不明。しかしボルネオでは救命治療はできず、ヘリでシンガポールへ移送されたが、間に合わず亡くなった、ということがあった。
2014年3月1日土曜日
キナバル山 ・・・褌子
クアラルンプールから飛行機で1時間半、ボルネオ島のキナバルに着く。大きな港まち。
片道2時間も車に乗ってテングザルをみに出かけた。どんよりと濁った川を船で動き回って樹上の猿をみるだけ。夜になってホタル見物に再度、船に乗る。たくさんのホタルが同期して明滅しているのが不思議。暗いので星はきれいだが、どれが南十字星かわからない。往復4時間もあるのでガイドの青年とはすっかり仲良くなった。バジョウ族の陽気な男でムル族は首狩り族だからネックカッティングに注意しろと首を包丁で切り落とすしぐさでしきりにおどかす。
■ 明け方、火災報知器の音でたたき起こされた。ドア開けたら何か煙がたちこめていて臭い。すわとズボンと靴はいて外に飛び出した。他の客もどんどん飛び出してくるのに、従業員が知らん顔。フロントの女性に抗議すると、月一回のゴキブリ退治の燻蒸です。防煙扉を閉め忘れてバルサンに火をつけてしまい、ごめんなさいとニコニコしている。
■ 車でキナバル山へ向かう。猛烈なスコールで山がみえるのか心配になったがバジョウ君は大丈夫ですという。二千メートルもの高地の展望台にたどり着いたら正面の雲の上にキナバルがそびえている。東南アジア最高峰の4095メートル。台湾の玉山(ニイタカ山)が3952、富士山3776メートル。毎年5ミリずつ高くなって造山運動中の地質学的には若い山。頂上の七つのピークがくっきりとみえる。頂上直下の大岸壁に氷がはりついて陽光を反射。富士山のような整った優美さはまったくない荒々しい男性的山容。30分くらいでまた雲に隠れてしまった。数万年前の休火山という。ボルネオは活火山がなくて地震も津波もない。火山がないので窒素リン酸カリといった肥料が供給されない意外とやせた土地だと信州大学の先生にきいたことがある。有り余る陽光による光合成と年間400ミリもの降雨量でびっしりと植物が繁茂しているが、土壌はやせているというのである。焼き畑農業は灰が土壌に還元されるが日本などがボルネオ産の材木をもちだしたあとの復元はむつかしい。いま一番の大問題はパーム油をとるために熱帯雨林を切り開いてつくった椰子林のモノカルチュア。パーム油は非常に需要があるのでモノカルチュアはとまりそうもない。
バジョウ君が石油・パーム油・観光の順でボルネオはなり立っているという。戦後、マレーシア連邦としてイギリスから独立するときに、石油が豊富なブルネイが連邦に参加しなかった。またボルネオの南側のカリマンタンはオランダ領だったのでインドネシアに編入された。ブルネイはみんなスリーピングして暮らしているとバンジョウ君がうらやましそうな顔をした。
帰り道に樹液をとっているゴムの木をみた。南米原産であったが、イギリス人が種子をもちだし王立キュー植物園で栽培に成功し、マレー半島でのゴム栽培をはじめた。
世界最大の食虫植物ラフレシアの巨大な花もみた。花のあやしい匂いに引き寄せられて昆虫が群がっていた。
■ ボルネオも三日目となった。もう二度とくることは無いだろうとつい余計なことを思うのは年のせいか。
少数民族の村を訪ねた。ボルネオ島の代表的な五つの少数民族の生活を観光化してみせている。
たしかに首狩り族だったムル族の家の玄関にはすっかり干からびた人の頭が五個つりさげてあった。
韓国、台湾、中国、香港などの観光客10数人といっしょに歩いて森の中でみんなで昼食を仲良く食べた。みんな似たような顔で区別がつかない。尖閣だ、竹島だと領土争いすることがくだらないことだと思った。
雪もすっかり融け・・・猫跨ぎ
「忘じをり」は、ぼうじをり、ですね。冬の川は、水量の減ったちょっと情けない姿の川のことで、ちょっと心象句的に作ってみた。
今年は大雪―といっても30センチ位。ハードもソフトもそんな雪への準備をしていないので官民とも大騒ぎ。こちらは久々の雪掻きで汗をかいたけれど、その後の雨と気温でたちまち融け、何だか白日夢を見ているような。根雪に覆われる雪国とは根本的に話が違う。甘っちょろいもの。
〈まだもののかたちに雪の積もりをり 由美子〉
なんて、完全にこちらの人の感性だよね。同じ歳時記を使ってお互いに判りあっている気分になっているのも不思議なこと。
今年は大雪―といっても30センチ位。ハードもソフトもそんな雪への準備をしていないので官民とも大騒ぎ。こちらは久々の雪掻きで汗をかいたけれど、その後の雨と気温でたちまち融け、何だか白日夢を見ているような。根雪に覆われる雪国とは根本的に話が違う。甘っちょろいもの。
〈まだもののかたちに雪の積もりをり 由美子〉
なんて、完全にこちらの人の感性だよね。同じ歳時記を使ってお互いに判りあっている気分になっているのも不思議なこと。
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