2014年3月19日水曜日
レンズ&STAPに関して・・・国兼
逸徳さんが、何故プラ・レンズが高級カメラに使われていないのかという質問、逸徳さんのようにカメラを持っていない方には難しいかもしれないが、高級なレンズは収差(また難しいかもしれないが・・・)を抑えるために複数の複雑なレンズを用いている。レンズ設計はこのレンズの材質の屈折率、厚さ、透過率、各波長での光路等をもとに複雑な設計してこの収差を抑えようとしている。
日本で最初にコンピューターを作ったのは富士フィルムだが、これはこのレンズ設計のためといわれているぐらい、難しい計算である。プラ・レンズのように屈折率が低く、局所的なミクロな結晶化による均一性のない(光の分散)、また温度や湿度(水の吸収)でコロコロ変形するものでは、このような精緻なカメラを作ることができない。だから、変形しても、さほどどうでもいいような「写るんですか」という類の画像品質を問わないカメラ用とか、単一波長のレーザー光を用いた色収差を考慮する必要の無いCDディスク用レンズには使われたりする(ここまでは逸徳さんへの補足説明)。
さて、本題の件
世界最高峰といわれるNatureやScience(両方とも月刊誌でなく週刊誌である)では、提出された論文のうち採用されるのは10%以下といわれている。最終的には専門に近い先生方に査読してもらっている。これは、この2誌以外の著名な物理学会誌であるPhysical Reviewや化学関係のAmerican Chemical Societyもまた同じである。ただ異なるところがあるとすると、投稿される論文が科学分野全般に及んでおり、それだけ論文査読に携わる先生方も各分野にまたがる一流の方々を揃えている点であろう(先に書いたように、いくら一流の先生といっても細分化して専門化した今は、ちょっと分野が異なると正確な判断は難しい)。
STAP細胞の存在は?と。植物では普通に見られる分化した細胞の初期化だけに、リケジョの博士の発見したマウス細胞の「刺激を加えるだけで初期化」するということは、否定はできないことだろう思う。
ただ、言えることは彼女が論文に書いた処方箋ではできないのだろうと・・・。この論文の持つ重要な意味合いから、再生医学という限りなく儲かりそうな特許を網羅しようと製薬会社をはじめとして世界中で追試が、更なる優れたSTAP細胞を作るための競争が始まっているはずであるが、何処からも「再現した」という声が出てこない(iPS細胞の場合はすぐあちこちで追試結果が発表されたものである)。どうしてこのような論文をNatureに発表をしたのかと…不思議でならない。
これを他山の石として、理研はじめ、数々の疑惑の論文を生んだ東大等は率先して研究者の倫理観にもっと真剣に取り組んでほしいものである。
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