2014年3月23日日曜日

函館通信231・・・猫跨ぎ句鑑賞・・・仁兵衛

一昨日8㎝程降雪があった。函館もこれが今年の最後の雪にして貰いたいものだ。しかし低気圧の形、進み方によって局所的に暴風雪になるのは毎年変わるのだろうね。今度の根室はその典型だった様だ。そんな低気圧まで入れた猫跨ぎさんの句は相変わらず面白く鑑賞させて貰いました。

・手袋を前歯で脱いで花市場 ・・・花市場の忙しさが上五・中七の具体的な動作観察でよく伝わってきます。
・雪積むや長押に蟬の釘隠 ・・・最近の北海道の住宅には長押がどうも見当たらない。釘隠を使う様な歴史建造物かな。
・栄螺に渦巻南岸低気圧 ・・・ユーモラスな句ですね。この南岸低気圧が北まで来て発達し暴風雪を引き起こすんだ。準特選。
・ファスナーの噛んで金縷梅花ざかり ・・・金縷梅花ざかり の所がよく解らなかった。
・縄文時代長し蛤焼かれけり ・・・蛤は縄文時代から食べられていたのだろううなー。と感慨にふけさせてくれるのを長しという短い言葉で結んだシンプルさが気に入りました。特選。
・葡萄酒はいつも白なり春ショール ・・・佳人のショールも白色ということかな。
・晩霜や人身事故の遅延あり ・・・雪解けの汚れた雪ばかり見ていると霜の存在を忘れてしまう。
・百葉箱のうしろに伸びる遅日かな ・・・昼間がだんだん永くなって行く味が出ている。
・春陰やペティナイフの腥き・・・不気味さを感じさせる句だなと最初思った。しかしナイフを握って春の曇りがちな空を見上げれば生臭いことばかり思い浮かんできそうな気配だね。準特選。

訂正;重層→重曹

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