二月九日の何十年ぶりかの大雪から一カ月たった。
夜来の雨もやんで久しぶりに庭にでたら、ヤマボウシ、椿や冬青(そよご)などの枝が折れている。めったに雪が降らない千葉の樹木はたまの雪にめっぽう弱い。「雪折れ」は冬の季語だがこういうとき俳句がさっと浮かばないのが残念。
一月には咲いていた水仙はいったん雪に押しつぶされたが、また立ち上がってすっかり咲きくたびれている風情。フキノトウも十数センチも伸びてとっくに薹がたっている。ホトトギスやシランは大きく芽を伸ばしているし、シュンランも花芽をめいっぱいふくらませて今にも蕾が開きそう。暮れに数ミリの根を植え替えておいた桜草が鮮やかな可憐な新葉を黒土の上に少し見せているのがうれしい。ギボウシはまだ芽がでていないがもう少し気温があがれば突端を土から覗かせ、威勢良く伸びるにちがいない。
ロウバイはとっくに散ったが、沈丁は芳香をふりまいているしサンシュユは黄色い小さな花を盛んにつけている。利休梅も芽をふくらませて今にも咲きそう。木蓮の大きすぎる花芽よりもクロモジの少し赤みを帯びた小さな葉芽が何ともかわいい。
草木の芽がいっせいに競って萌え出る早春のころは一年でいちばん好きなとき。
菜の花や きのうの嵐けふの富士
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