2014年3月19日水曜日

三月仁句鑑賞・・・猫跨ぎ

昨日強烈な春一番。木々の芽吹きが目立ってきた。小保方さんの周辺の人間模様が週刊誌的に報じられるようになって、サイエンスを舞台にした一大スキャンダルを呈してきた。
山中教授のipsが余りに強烈だったので、すわ、俺も、しめた、の願望が殺到したのか。さあ、どんな幕引きで終結するのか。
仁句鑑賞。今回は大人しい身辺句が多かったように思うが。さて。

��.防潮堤まだ途中まで鳥曇
防潮堤の何がまだ途中なのか、特殊な事情があるのか不明だけれど、春未だ来の風情という感覚はわかる。そういうなかにも鳥は季節を感じて帰ってゆく。
��.残雪の上に金属バット音
残雪のなか、球児たちの金属バットの甲高い音が響く。球春とはよく言ったもの。視覚と聴覚が響き合っている。特選。
��.天丼のななめの蓋や風光る
最近の天丼は、やたらトッピングが大きくなって蓋そのものが使えないほど。これはまだ大人しいが、それでも斜めに被せられている。これも春の元気な様だね。
��.白黒の十四インチ朧月
白黒テレビか。それも随分小さい。古物商にももう置いていない。どんな風景かな。
��.水の春渡り廊下は響きをり
どこかの会館の渡り廊下だろうか。靴音が響きわたる。せせらぎが春の風情を物語る。
��.坂の名と友の名隠し春吹雪
季節外れの春の雪が、坂の標示なども隠してしまったということだろう。
��.水温む重層でとる鍋の焦げ
重層は重曹のことかな。この時期、鍋の焦げも綺麗さっぱりとしたい。
��.ぶきっちょな人差指や春三月
春ながら、人差指がイメージ通りの動きをしないということかな。何となく動きのキレが鈍くなってきているのはこちらもご同類だが。ところで春三月はどうかな。八高寮歌に「春三月に」があるらしいが。一般に使われるかなあ。
��.閉院の予定告げられ君子蘭
院長の都合で閉院などは寂しいもの。小生の行きつけの歯科医院も、院長が癌を発病し閉院となった。もう5年以上まえだが。君子蘭は待合室にあるのだろう。準特選。
10.街道のいさば屋の裏春日射す
いさば屋は五十集屋と書いて、魚屋のこと。母親がよく言っていて懐かしい。ニシンなんか連想し、ああ春がきたという感じ。準特選。

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