2012年9月9日日曜日

或るアンケート・・・猫跨ぎ

  ラジオを聴いていたら、異様なアンケート結果を伝えていた。現在の幸福度については、北欧諸国が軒並み高いが、日本はずっと下で、アジアの中でも低い方だった。ついで「先生を尊敬しますか」については、各国の国民は概ね90%以上「イエス」。日本だけが極端に低く50%を切っている。生活レベル、治安、保健衛生どれをとっても日本は世界の最高水準だと思う。平均寿命の高さが何よりの証拠だ。日本の教師の教育能力は多分世界でもトップクラス(褒めすぎか)だろう。何故こんなにも低いのか。
  ということは、幸福度とか教師を尊敬するとかを決めるのは、こういう項目とは別次元のことなのだろう。ちょっと考えても明日は今日より悪くなると言う黄昏れ感がとにかく強い。不安心理が根底にある。まず指摘されるのは、政治が機能不全を起こしている。衆参ねじれのため(だけではないが)何でも政局化してしまい何事も決まらない異常な状態が続いている。かといって明確なビジョンを誰も打ち出せない。橋元維新の会の異常な人気のみ目立ち、既成の政党、政治家が明日の己の安泰のため橋元にすり寄っていく様は醜悪というしかない。政党のリーダーを選ぶ時期になったが、自民党などは事前の顔ぶれがそのまま俺が俺がと譲らず乱立のさまだ。自党を纏められないで国をリードできるのか。政党も溶解しつつある。政治家を尊敬するかを調べたら、最低にランクされること間違いなしだ。政治の状況は日本全体を表象しているような気がする。
  橋元は文楽を一度見て、こりゃ駄目だと言ったという。伝統芸能をこんな若造に生殺与奪を任せて良い訳もないが、みな黙りこくっている。もっともこの稀代のトリックスターも今がピークでその内に急速に消えてゆくだろうが。
共通して言えるのは、この国全体に、流砂現象が起きているのではないか。信頼できるものは何もない。規範がない。崇高なものは冷笑の対象だ。先進国の文明の大変化を先取りしているのかも知れない。これは褒めすぎか。

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