2013年9月11日水曜日

深山幽谷の巨大魚・・・褌子

  ひょいと昔の飛鳥旅行の民宿の名前を思い出した。民宿脇本だね。
  前泊は国兼さんや小林さんと興福寺、東大寺、春日大社それに新薬師寺などいった。唐招提寺は工事中だった。
―――――美深のつづきです。
 三人でトロッコ列車に乗って松山湿原へ。山内さんは宿の村上春樹の本を読みたいというので独りで歩いて帰る。山の上の湿原は誰もいないと思ったら、木道上に無心にチョウチョウを凝視している青年に出会った。蝶の研究家ですか?と声をかけたら、旅人です、とキザな答えがかえってきた。名古屋からきたという。(とにかく人にはめったに会わない。美深の街も過疎化でがらんとしている)
車で帰る途中に道北の滝を撮影しているという青年に会う。いい滝を紹介しますというので車でついて行くと、深山のなかの名瀑だった。滝壺の周辺に目をこらすと50センチくらいのニジマスがユラ~とみえるではないか。宿に帰ると釣り竿も餌用のイクラもあるという。
翌朝、五時に宿を出て霧の山道を40分走って、昨日の滝壺に着く。イクラを三粒くらい釣り針にさして第一竿。一時間以上もねばるがぜんぜん当たりがない。ふとスコップでそばの雑草を掘って出てきたミミズをつけてみた。とたんに二匹も14~15センチのきれいなヤマメが釣れた。さらに30センチくらいのヤマメと40センチの黒っぽいマスを釣り上げ、歓声をあげる。宿で心配しているから、帰ろうとしきりに女房がいうので、チクショーまだ巨大ニジマスが…と後ろ髪を引かれる思いで帰る。宿では山内氏やほかのお客さんが、まだ飛び跳ねている魚をみて大騒ぎ。早速、塩焼きにして食ったが、深山幽谷で苦闘1時間半、釣り上げた魚の大きさは塩焼きを食った山内氏が本欄で証言してくれるはずだ。
 もう帰る日である。白樺樹液100%の『森の雫』をたくさんお土産にもらって、旭川へ。富良野岳、十勝岳、美瑛岳、トムラウシの連峰を一望する望岳台にのぼり旭川空港から帰途についた。
  レンタカーの運転ができないかわり、終始、車中で面白い話をしては居眠り運転防止にがんばった山内さんに本欄をお借りしてお礼を申し上げます。【宿の裏の白樺林で柳生氏の奥さんと】

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