いま、紹興酒の紹興にいます。
上海からきた中国人留学生の面倒を三年ばかりみてきたが、昨年、帰国。両親が、娘がお世話になったお礼に中国に招待したいというので女房と五泊の中国の江南旅行にでかけた。きのうが杭州。南宋の古都である。西湖見物のあと、霊隠寺門前の民宿みたいな風情のある旅館にとまり、紹興酒「古越龍山」を飲む。朝の茶粥が旨かった。杭州からさらに南下して紹興へ。司馬遼太郎の街道シリーズ「江南の道」の会稽山、呉越同舟、臥薪嘗胆、西施、勾銭・・・の紹興であるが、まずはまっすぐ魯迅故居に向かった。
魯迅の生まれた家は想像以上の大地主の大邸宅で清代の古い遺構をそのまま残している。たくさんの部屋。魯迅の名篇「故郷」の終章が胸にあらためて迫った。ーーーー魯迅の子供のころ、魚とりなど夢中でいっしょに遊びまわった友達の陳、男の子のいろんな冒険を教えてくれた大好きな陳。勇気があって快活な頼もしい兄貴分の陳・・・・何十年ぶりに北京から懐かしい故郷の紹興の実家に帰って、誰よりも誰よりも真っ先に陳に会いたい!。あの陳に!ーーーー ところが、やっと再会した陳は、大地主の跡取りの魯迅の前で、おびえたように頭をさげてばかりいる小作人の卑屈な男になっていた・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿