2011年4月3日日曜日

函館通信143・・・呆ける・・・仁兵衛

 大災害から3週間が経ってしまった。いわきはあまりニュースに出て来ないが276人の死者が出ている。3年半前まで住んでいた地区で二人の先輩の行方がまだ判っていない。グーグルから「いわき 津波」を検索したら生々しい映像が沢山見る事が出来た。見るほどに涙が出て止まらなかった。
 一方、一部で水道の復帰が遅れているのと放射能の風評被害でまず物が入ってこないのに困っていた。友人で原発から60kしか離れていないいわきをすぐさま移ったのが5人ほどいたが既に3人は戻って来た様だ。しかし、これからの状況変化次第では移れる態勢はみんな残していると言ってきた。それでなくても活気のなかった地方の商店街、住宅地は更にひっそりとしてしまっているとも友人から連絡があった。空き家は空き巣に入られてともTVで報じていた。
 褌子さんと国兼さんを案内したあの六角堂も全く無くなってしまった。気持ちの上でもなかなか俳句を創る意欲が減退してしまったなと感じています。絶景を見てなかなか句が出てこないのの反対に悲惨な気持ちが心を支配してしまっているのかな。災害の句は書くまいと思っていたが到底だめだ。いっそのこと吐き出してしまった方が良いのかも知れないと思い十句出しました。

 ・ 安心の神話崩れて春の波
 ・ 余震きて日永うしろへ下がりけり
 ・ 鳥帰る押し潰された瓦屋根
 ・ 辛夷咲く地上に涙流しつつ
 ・ もどかしく電話を切りて春の月
 ・ 異次元を覗いてをりし朧月
 ・ 粘菌のすばやく動き春を呑む
 ・ 問題も影響もなく四月馬鹿
 ・ 悔しさを犬にぶつけて春浅し
 ・ 陽炎や馬上から落つ神話かな

0 件のコメント:

コメントを投稿