議論が拡がっているがそれだけ問題の内容が多岐に亘っているからだろう。もともとは国債発行残高が千兆円を超えてしまってこのままでどうなるのか、今の我々の生活態度まで含めての問題提起だったように思う。
外国から原料を買って付加価値を高めて輸出して稼ぐという国家経営のモデルを官民挙げて実施した。それが大成功して、骨がらみそれに相応しい体質の国になってしまった。
景気が悪くなると税収が追いつかず国債を大量発行するという財政出動パターンが常態化した。景気がさっぱり上向かない事がつづいて発行残高はついに千兆か。
加えて急速な高齢化社会化。バブルのころに立ち上げた社会保障や年金の制度が立ちあがり、出費は鰻登りだ。韓国や中国が日本のスタイルを真似てこれも急速に経済成長し、強力な競争相手となっている、というか、同時にお互いに利害が入り組んだ状態を呈している。
国は何で食べていくのか。これを無視して議論はできない。
ソニーやパナソニックの失速も円高が主因だろう。実力以上の円高が企業体力を失わせている。韓国のウオンや中国の元は事実上ドルに連動しているからね。この円高の対策がどうなっているのかさっぱり判らない。日銀が紙幣をどんどん刷ればいいという説もあるがそんな単純な話ではあるまい。国債残高千兆は危機的だが、これは大半が国内の金融機関が買っている。その原資は国民の預貯金だ。要するに国民が一体となって買い支えている。この構造が国際的に国債の信頼性を支えている印象を与え、つまり円高の遠因になっているのか。つまり皮肉にも、円高というのはその国への信頼度なんだ、結局。
国債がそっくり償還されたことは、古今東西、皆無と聞いたことがある。じゃどうなるのか。戦争?ハイパーインフレ?いずれもクライシスだが、まともな対処法を聞いたことがない。生活保護費の不正受給が問題になっている。こういう弱い部分をつつく前に、国全体に拡がっている何というかおねだり体質の常態化が問題だろうな。これも戦後の国家経営がもたらした負の側面だろう。まっとうに働いて、質素でいいが堅実な生活をする。これは日本人の美質な筈だし、消えてはいないと思うが。
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