今評判の「風立ちぬ」(宮崎駿監督)を見てきた。画像の迫真性、綺麗なことにただただ一驚。戦前の街並や製造工場の風景の細密な再現、冒頭の関東大震災のシーンの迫力。要所要所の飛行機のシーン、ジブリ映画の技術の蓄積は凄いものだと感心。
零戦設計に携わった敏腕設計技師(これは実在の堀越二郎)の活躍と、小説「風立ちぬ」(堀辰雄作)のラブロマンスを織り合わせた物語り。堀越の恋人役の菜穂子がいい。
所謂アニメ映画に期待する盛り上がりはなく、坦々と進んで終幕を迎えるがそれなりの満足感は残る。別離の哀しみと、何もかも失った敗戦は勿論基調にある。幾つかの挿話シーンには作者の意図を感じさせるが、省略。まだの向きは、推薦したい。
ところで「日本禁煙学会」なるところが、映画に喫煙シーンが多いと制作者に抗議したらしい。子供の教育上よろしくないと。喫煙の害が声高に言われるようになったのは、近々10年くらいか。嫌煙権ももう今更という感じ。昔は普通の生活習慣だったから、それを描いて何の不思議もない。馬鹿らしくて話にならないが、こんな視野の狭い近視眼の連中が最近多い(多分、女性だろう)。今の価値観で昔を裁く愚のひとつだが、これからも続々と起こりそうなことだ。
ついでに言うと、戦争映画の危険性を指摘する声もある。これもその一例だ。
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