パリにきて三日目となった。猫跨ぎさんと仁ちゃんからうれしい反応があったのでiPhoneからの発信が日本に届いていることがわかり急に元気がでてきた。猫跨ぎさんが若い頃パリのシャンゼリゼ通りを歩いた話を35年くらいまえに、うちに泊まった時にしていました。いらい、ずっと死ぬ前に一度オレも…歩きたいなんて思い続けてきました。
きょうはくたびれましたね。エアコンのない安宿に五泊もするのだが涼しいと窓開けて寝ていたら蚊が入ってきてかゆくてかゆくて。6階だからと油断していた。パリの蚊も市原の蚊も鳴き方は変わらないね。睡眠不足のまま、朝一番に女房とノミの市にいってルーペと櫛(髪がないのに)を買ってしまった。枠が金縁に輝くルーペはブルボン朝のマリー何とかいう王妃様がお使いになっていたものを恐れ多くも値切ってしまい15ユーロだから1950円くらい。櫛は日本製か。そのあとロダン美術館の庭で「カレーの市民」独りずつの顔を至近距離でみた。上野には集団立像だが。バルザック像の“にぎり金玉”の話には現物をみて納得。一角にゴッホの「タンギー爺さん」があって背景には浮世絵がかきこんである。ロダンは人間のもつ苦悩とか悔恨とか逡巡みたいなものが迫ってくる。
そのあとオルセー美術館で例の二枚のゴッホ自画像に対面したがルノワールやモネやマネ、セザンヌ、ゴーギャン、ドガなどと全く違う。ユトリロは哀愁とか生きる屈託があるが。ゴッホの絵は弟テオ以外に生きているときには誰にも理解されなかったという。
オランジェーでモネの睡蓮の丸い壁一面の大作をみて、ゴッホ自画像のはなつ重苦しさから開放され自然の光の賛歌にひたった。コンコルド広場でオベリスクの古代エジプト象形文字をみあげてから、はるかシャンジェルデ通りの彼方に凱旋門を遠望し、ああヨワイ70にしてパリに来たんだと危うく感涙にむせぶところであった。その後はヘトヘトになってパルテオン神殿そっくりの教会とかプロシアから分捕った大砲で作った青銅の塔のうえにシーザーのいでたちでナポレオンがはったとローマの方向をにらんでいるのを見ているのをフラフラになって見上げて、さらに数百メートル這うように歩いてサッポロラーメンにたどり着きアサヒスーパードライ560ミリリットルを飲み干して味噌ラーメンと炒飯喰ったら生き返った。ふと後ろから日本語が聞こえて来た。年の頃65位のおっさんがメガネを頭の上にずらしタオルで汗を拭きながらギョウザと焼き鳥喰って麒麟ビールのガブ飲みをしていた。なにもパリまできて焼き鳥くわなくてもなあ。急に元気出てきてホテルにかえったら蚊取り線香ありませんと平気でいうのでガッカリ。みなさん!いくら安くても夏場は外国でエアコンのない安宿は泊まらないようにお願いします。蚊が入らぬように閉めて寝てると外は涼しいのに暑いです。フランスにはまだ網戸がないのかね。日本から輸入するべきだ。パリにはコンビニがないようだ。雑貨屋さんはバカンスで閉まっているし蚊取り線香も電池も買えなくて困っている(-。-;
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