2013年8月14日水曜日

極暑の候・・・猫跨ぎ

  帰省中の息子の車に乗って、市原の辰巳団地へ久し振りに行ってきた。昭和43年から同59年まで住んでいた。鉄道が延伸してくる計画がずっとあり、中央部に広い空き地があって何とも纏まりのない団地だったが、京葉コンビナート各社の新しい社員アパートがそれぞれの区域に林立する、高度成長期の申し子みたいな、或る性格を見せた住宅地区だった。
  それが様変わりであっけにとられた。まず、鉄道延伸計画が取りやめになり、空き地は細切れの宅地分譲と相成った。重化学工業の衰退もあるが、社員アパートというものがいわば昭和の遺物であり、その存在理由を失ったのだろう。小生のいたアパートもしかり、更地になり宅地分譲されたらしい。何の面影もない。全体にのっぺらぼうの無性格の住宅地と化していた。アパートの近くの夫婦二人でやっていた小さな中華料理店が今あるだろうか、久し振りに行ってみようというのが、ことの発端だったのだが、その店はまだあった。が、お盆休み。感傷のドライブ旅行。

最近の十句
・清めの塩振られて潜る夏暖簾
・降りつづく一葉旧居跡紫蘭
・蚊を打つてから灯明をあげにゆく
・釣堀のどの区画にも夏の雨
・緑雨いま豪雨に変はり火焔土器
・ジェット機の急に現れジギタリス
・滑走路の先の夏野や将門記
・団子虫の転がる先の真夏かな
・雲の峰扉小さき無言館
・魚臭き路地裏夏の下弦月

0 件のコメント:

コメントを投稿