2012年5月6日日曜日

野麦峠・・・褌子

  連休明けに野麦峠にいって上高地ちかくの平湯温泉に泊まるので山本茂実『ああ野麦峠』を読んでみた。
  飛騨を歩き回って三百人ちかいおばあさんを訪ねて聞いたところ、誰もあんな辛いこと二度と思い出したくもない…というかと思ったら
  「まいにち白米食って親喜ばせる金もらって正月には吹雪の野麦峠を何千人も連なって死にものぐるいで信州から飛騨へ帰ったんだ」と生き生きと楽しそうに語りつづけるおばあさんばかりだったという。親が前借りしているのでマユを煮る蒸気でびしょびしょになって病気になっても帰ることもできず倒れて動けなくなるまでこきつかわれたが、それでもおばあさんたちにとって一生に一度の青春時代の思い出なんだ。良人が戦死しても、つらいことはさっさと忘れて楽しいことだけ思いだして子や孫のために野良仕事に精出す飛騨の貧農のおばあさん。
   ↑これ以前にいちど書いたかも…こういうことが多くなった

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