2012年5月1日火曜日

奇妙な石・・・・褌子

   市原市の上総国分寺跡の山門周辺に畑をもっていた今74才の安原さんの家にいったら奇妙な石をみせられた。
   安原さんが三十代のころ、畑仕事で深さ1㍍位の所から壺を掘り出した。近くで国分尼寺の発掘をしていた大学の先生が聞きつけてきて、古代の貴重な壺らしいといって帰って行った。そのあと、ちかくの畑から奇妙な石も出土した。
  まもなく、市か県の文化財保護の係官が「ぜひ寄贈を。あんたがもっていても何の役にもたたないから」と言ってきた。その言いぐさが気にくわんと若かった安原さんは寄贈をことわり、奇妙な石が出土したこともひとには言わず40年以上も経ってしまった。
  先日、こんなものをもっているんだと押し入れの下からとりだして壺と石を見せてくれた。
  壺よりも、石の方に関心をもった。岩石学の知識がないので何という石なのかわからないが、かなり重く非常に硬い緑黄土色の石である。両側とも凹面に4~5センチもへこんでいて、写真で見るようにぶつぶつと穴だらけである。胡桃を割ったりドングリなどをあく抜きするためにすりつぶしたものではなかろうかと思った。そうすると縄文後期か弥生時代か。しかし上総国分寺そばの畑の中からでてきたのだから、八世紀半ばのものか。
  不思議な石だなあと面白がったら、調べてくれと頼まれてしまったが、専門外の人間に頼まれても困る。
  と、いうわけで昔の出土品を展示してある博物館などに行ったら似たような石がないか注意してみてみることにしよう。
  安原さんはいちおう仮名だが心当たりのある人は教えて欲しいといっているが、男は、晩年になると若いころは気にかけなかったものが気になるものらしい。ちなみにこの旧家の安原夫人は興味がないとのこと。
【写真=両面とも写真のように窪んでいて、どちらが表とも裏ともいえないつくり。25キロ以上の重さ】

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