2011年3月8日火曜日

函館通信138・・・弥生十句鑑賞・・・仁兵衛

 4日に転んでから5週間後のMRIを撮った。血腫の影が以前より少し小さくなっていたので手術はやらず1ヶ月経過を診ようということになった。自浄能力がどこまであるのか試したい気持ちも若干ある。しかし足の方は相変わらず調子は良くない。早々と杖が必要になるかもしれん。

 さて、猫跨ぎさんの弥生十句だが一つの句に吸い付かれて他の句が見えなくなっている。
 ・鷹鳩と化してサブレー啄めり
 「鷹化して鳩と為る」という季語は知らなかった。早速大歳時記を引くと「春の穏やかな気配の中では鷹は鳩に変身してしまう」とある。うーんそうか北海道ではなかなか発想しにくそうだなと思いつつもこの季語の持つ深さを感じている。
 更にその鳩がサブレーを啄むと焦点を絞ったのは句としての面白さを拡大していると思う。鳩サブレーという東京土産のお菓子が目に浮かんでくる。少し鳩が啄むには硬いからサブレーを崩して播いてやっているのかな。
 季語が8文字と長いと残り9文字で作者の意図を全部現さなければならないが実に自然にそれが上手くいっている。

 ・きさらぎの針の光や求肥餅・・・・・針供養は豆腐に折れ針を刺すのだが単純にそうではなさそう。同じ軟らかい求肥餅は何の意味かなんて考えてもしょうがないな。あっ、そうなると光がポイントかな。
 ・春昼に穴を明けたる鯉の口・・・・・よく観察されていますね。中七が意味深で想像を掻き立てます。
 ・俎板のこんにゃく跳ねて彼岸入り・・・ユーモラスな情景が目に浮かんで来ました。

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