2011年9月20日火曜日

パンダ問答・・・褌子

  熊さんと猫さんが難しい熊猫問答をしていて微笑ましい。
  熊猫は中国ではパンダのこと。
  中国へ明日から27日までいってくる。上海の魯迅生誕130年祭のシンポのあと吐魯番(トルファン)あたりまで行く計画だったが、9月30日から国慶節のせいで超満員で帰ってこれないことがわかり、急遽、西安から先はあきらめた。高速鉄道は乗らないので安心、モノリンガルが心配。息子の航空会社のタダの切符だが、いきあたりばったりの一人旅には向いている。
  一昨夜BSの小栗康平監督『泥の河』で泣けてしまった。宮本輝の原作も知らず映画も観たことがなかったがマルセ太郎の「スクリーンのない映画館」を何かでみたことがあって、いつまでもあらすじを忘れることができなかった。
  昭和三十年の大阪の貧しい貧しい下町のはなし。小学三年のノブちゃんが学校に来てないキっちゃんと仲良くなるが、ふとしたことで突然かなしい別れがやってくる…。
  キっちゃんの父は戦死、汚い河に係留する小さな郭船のなかで病弱の母(加賀まりこ演ずる)が子供を食わせていたのだ。  キっちゃんが小さな川カニに灯油をかけて焼き殺す場面があって逃げるカニを追ってノブちゃんはみてはならないものをみてしまうのだ。禁断の場面をみてしまったために船が突然ひっこししてしまう。この場面のマルセ太郎の独り芝居がすごい。マルセ太郎じしん、大阪生まれの在日朝鮮人で辛酸をなめて育ったひとだという。
  こういう日本がかつてはあった。いや今も形をかえてあるのだ。だから毎年三万人も自殺しているのだ。
  私が知る無籍のKさんはちょうどノブちゃんキっちゃんの年代。4才で母が家出。病気の父もKさんを孤児院に預けて死んでしまう。両親は横浜大空襲で家族をすべて失った被災者どうしだったのではないだろうか。Kさんはつらいことが多すぎて解離性健忘症になったのだ。この夏、現地を足で歩いてそんな確信がしている。
【写真はマルセ太郎】

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