2013年4月20日土曜日

SAKURAと日本人・・・褌子

■猫跨ぎさんの句鑑賞
・志ん生の出囃子木の芽和すこし
高座にあがるときの出囃子をきくと噺への期待感が…
・たそがれの紅梅本朝水滸伝
 水滸伝にも本朝版があるんだね。古い錦絵をみているような味がある
・ショベルカーの砕く旧家や遠さくら
昨年、旧家の独居おばあさんが風呂で亡くなっていた。たちまち鬱蒼とした旧家に重機がはいって落花狼藉。いま建て売り何十軒の売り出しノボリが揺れている。
・昏々と昼寝の男紫木蓮
小栗康平の映画『眠る男』を思い出した。
・鶯や指より落ちる文庫本
 春眠だね。
・月おぼろ箪笥のうへの月球儀
 暖かな潤んでいるような春の空気のにおいがある。
・木蓮の花びら重く落ちかかり
 木蓮の白い花びらはすぐ散ってしまう。紫木蓮は散るまですこし間があるが。
 花びらは厚みがあり重さで垂れ下がりそして日焼けして無残に散り落ちる。
・青ざめた風吹き抜ける花菜畑
 青ざめた風・・・新感覚的な表現だ。春寒し。青ざめた馬は誰だったか
・バイソンの頭の重き遅日かな
特選。確かにバッファローは重たそうな頭している。そういえばゾウアザラシの鼻も重そうだし、トナカイの角も重すぎる。マンモスの角も… 日脚が延びてきたこの頃の気候と「バイソンの頭の重き」があう
・花冷えや線香点す信なき夜
   「信なき夜」がよくわからない。信仰心があるわけではないが、亡き奥様の位牌   に線香灯し続けているということでしょうか。菊捨ててまた菊をさす仏間かな

■仁兵衛さん句を鑑賞
・ 名ばかりの春や荒んだ風ばかり
そうか、函館は春は名のみの風の寒さか
・ 春寒し今のいままで連絡船
    係留してある摩周丸のそばで仁ちゃんとラジオ体操しました。繋留ロープの上    でカモメがのんびりみていた。
・ 身勝手な弥生の雪と恋仲と
    降ったり晴れたり、くっついたり別れたり
・ 春浅し戦後は何が変ったの
いろいろ変わりましたね。ことしは昭和88年。大正102年。明治146年。
明治維新からまだ146年か。こちとらも70年生きたのに。
・ 春ともし宮沢賢治坐りをり
    春と修羅 賢治の詩世界と春ともしは実にあうね。
・ 花を観て花に看とられ宴かな
    日本人はどうしてこんなに桜好きになったのだろうね。
    西行桜のころからか。そめいよしのは江戸末期からだが。
    しきしまのやまと心を人とはば朝日ににほふ山桜花は本居信長か
古事記にも「このはなさくやひめ」とかいう神様がいるから大和民族の桜好きは年期がはいっている。狩猟民族アイヌにはこんな自然観はなさそうだ。
    桜の木の下には屍体が埋まっている…は梶井基次郎。妙なリアリティ。

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