原子力のかわりに水素エネルギーはいかがでしょうか。かって横浜国立大学がポルシェ計画というのをやっていました。これは大型いかだに太陽電池を積んで、南の海に展開して、その電力で海水を電気分解し、得られた水素を液化してタンクに貯蔵します。この過程はすべて無人で、タンカーで時々液体水素を回収する。その後どうなったかなあ。 海水の電気分解では塩素ガスが出ないかと心配したら、東北大学で海水の電気分解で、水素と酸素しか出ない電極が開発されたとか。 液体水素はもちろん取扱いが大変ですが、原子力よりはいい。JAXAはすでに液体水素によるジェットエンジンの開発をはじめています。もう水素ガスによる自動車は、技術的には問題はないそうで。要するに石油という液体燃料の技術体系はやっぱり代替えも液体でやることが、技術の連続性ということではいいでしょう。 原発のような巨大プラントを1か所において電気エネルギーを消費者におくるという1極集中型のシステムと、たとえば家庭用の小型発電ガスタービンや小規模発電所を小河川にたてるという分散型エネルギー源システムではどちらがいいか。ここでコストを考えると、分散型のほうが高いに決まっているのでしょうが、これがあやしい。要するに環境要因をコストにいれない経済学がおかしいのです。かって大阪市立大の宮本先生が大阪泉野だったかの石油コンビナートをもとにこういう計算をやった有名な研究があります。かっての経済学では、たとえば公害で目の前の海で海水浴ができないので遠くまで電車にのってでかけていかなくてはならない、公害病患者が増えるので病院をたてるということは、経済的には交通や建設、医療などの活動が活発化するので、今までは社会的にはプラスと計算されていたのだそうです。しかしこれは明らかに変でしょう。
追伸 ヨーロッパの企業連合がサハラ砂漠に太陽電池を展開して、ヨーロッパまで海底電線で送電する計画の検討をはじめたようです。
国兼さんの問題提起に関連して。 開発途上国への原子力産業の展開は先進国の巨大企業のいいもうけの対象になるでしょう。それよりも前に、石油などの天然資源の国際的に平等な資源配分のルールがつくれるかどうかではないでしょうか。現在の国際社会は弱肉強食が続いていますが、こんなことではともだおれではないか。 まあそれも我々が死んだあとのことでしょうか。
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