2011年5月29日日曜日

中国の一面・・・褌子

逸徳さん
意味がわかりました。高尚な文章を掛け軸にしているんだね。
おれんちの掛け軸は「おお空に富士の神山みえそめし ほのぼの明くる美保の松原 桂月」という時代がかったものだが義父が死んだときにもらったもの。本当に大町桂月かあやしいものだ。
毛沢東は詩人でもあったらしく、万里の長城にも「万里の長城にのぼって漢民族の悠久の歴史に思いをはせずんば男じゃあないぜ」とかいう不到長城非好漢などの八行詩の石碑がたっていて連れて行ってくれた中国人青年が誇らしそうに説明してくれた。
 が、中国革命にはあれほど理論的指導力を発揮した毛沢東だが、新中国が成立すると大躍進政策だの人民公社だのめちゃくちゃな経済政策を乱発して失敗だらけ。指導部内で信用失墜し上海に逼塞していたが、文革騒ぎを引き起こして10年間も中国全土を混乱の極に陥れた。日本の全共闘運動もその余波みたいなもの。
 やっと毛の死亡で文革は収束したが、中国の発展は30年も遅れたといわれる。辛亥革命後の反革命をみて魯迅は「革命いまだならず」と慨嘆して死んだが、毛の中国もいまの鄧少平の金満中国も魯迅からみれば「革命いまだならず」と慨嘆することだろう。
 しょせん、個人崇拝を逆手にとった「人治」は失敗するということか。
 毛沢東の評価は功罪7対3だというひとが多い(功績7というのは毛がいなかったら新中国の成立はずっと遅れたということか)。わたしは五分五分だと思ってしまうが。
 しかし現代中国人のなかではとくに農民たちのあいだで毛沢東はいまだに絶大な敬愛の対象になっている。シルクロードにいったときも「毛主席は、地主の家畜あつかいから我々を人間にしてくれた」といっていた。
 たいして都市の青年たちに圧倒的な人気をほこるのは周恩来である。白猫黒猫の鄧少平の人気は??こんど中国にいったらきいてみよう。
 とにかく人間ですべてを評価する。人間のつながりで商売も政治も学問もする数千年の伝統がある。ここから強烈なコネと賄賂社会が発生するし、いったん信頼するとずっと裏切らない人間関係もつづく。これは資本主義も社会主義も関係ない。
 いまは“人治”から“法治”への移行期といわれている。
 同じ東アジア人の日本人も似たようなところがあるから中国人を批判すると自らにも返ってくるかもしれない。

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