・百態の馬押し寄せて淑気かな
新春の競馬場もしくは馬牧場か。干支に因んだ挨拶句。
・古文書の題簽めくれ日脚伸ぶ
題簽(だいせん)なんて珍しい。これ古文書と一般名よりもっと具体的な方が面白いのでは。例えば、「黄表紙」とか、「犯科帳」とか、「猿蓑」とか。
・雪の音ぎゅうぎゅう詰めのレジ袋
北海道の雪道を歩く音はぎゅうぎゅうという。ぎゅうぎゅう詰めの買い物を持ちながら。
・冬銀河力道山の腰ベルト
力道山の黒タイツの謂われは何かなあ。後にも先にもないね。腰ベルトしていたっけ。知らなかった。
・真冬日やラーメン店主の湯切り技
三十台の若き元気な店主かな。
・楪や万年筆の太き文字
楪(ゆずりは)は新葉にあとを譲ることから代々繋いでゆく、繋げるという句意で良く作られるね。新年を寿ぐ意味も含めて。万年筆の太き文字もいいね。父親の思い出かな。
・小枝まで造化の巧み六花
寒風吹きすさぶなかでの雪の造花だね。こちらの生暖かい湿雪ではない。これ下五は字足らずでは。
江里昭彦著「生きながら俳句に葬られ」(深夜叢書社)はネットでも手に入らないようだね。品切れらしい。入荷したら連絡を貰うことになっているのだけれど。
深夜叢書社は齋藤慎爾氏の会社で、彼自身のエッセイで時々この本を引用するけれど、市中には無いという不思議。見掛けたら連絡しましょう。
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