2011年2月14日月曜日

猫跨ぎ句を味わう・・・・逸徳

お師匠お帰りなさいまし。 電話がつながっちまったのはおどろいた。これじゃあ、これから気楽に電話できんなあ。・・・いやそうじゃない、いいわけにはうまくつかえるかも。「すまん、おれいまパリにいるんだ・・・」なんてかっこいいセリフをはいてみるか。 まてよ、パリがなんでかっこいいんだ・・・よくわからん。

さて、師匠の句、今回はことばのイメージがつながっているのがおもしろかった。こういう世界もありだなあと。 楽しいね。感想を。
・漱石忌狸穴坂で迷ひけり
 狸穴と迷いけりの組み合わせだ。 狸に化かされたか
・初東風の屈折志功の眼鏡かな
 初東風が屈折につながるのがイメージ的にわからん。屈折が志功のド近眼のメガネにつながるのはおもしろい。解説希望
・大寒やコルトレーンの夜に沈み
 コルトレーンのことを知らん人にはよくわからんだろうが、確かに寒いよるにスタンドひとつつけて、ウイスキーをなめなめ聞くのはいいかもしれんなあ。外は雪がいいな
・ひとつづつ蜆を食ひて大男
  蜆で先日の宍道湖を思い出した。今回の褌子氏との旅でも蜆にであったが、やっぱり小さい。 どうも蜆には嫌われているな。こういう組み合わせを諧謔というのかな。素直にわらいたくなる。
・ワイングラスの中を船行く冬至かな
 冬至と船の組み合わせは、冬の海を連想するがそうするとワイングラスがあわん。これはもしかしたら、グアムの作かな
・ラグビーボール跳ねて転がり卒業期
 跳ねて転がりというイメージが卒業期にぴったり
・茶箪笥に使はぬ紐と春の闇
 ちと気味が悪い。春の闇だろ。使わぬひもだ。作者はくびでもくくろうとしたのではあるまいかと・・・。江戸川乱歩かなんかの世界
・白梅の鉢提げスペイン坂下る
 坂の好きなひとだなあ。ふと、下がるではなくて上がるにしたらどうかと思った。白梅のつつましやかな生命力とあいそう
・機長より遅延を侘びる余寒かな
 グアム旅行の句かな。しかし飛行機のなかってなんであんなにあついんだろう。今回の褌子氏との旅でずっと小型の温度計をむねにさしていたのだが、どの乗り物も大体気温30度だった。それを知っているので余寒の語が面白く感じた。
・鰰の飯鮨を噛むや忘れ潮
 忘れ潮の語感が面白く調べてみたら満潮時の海水が引いたあとに残った海水の水たまりとある。あの飯鮓でよくまあこの語につなげたなあ。なんか俳句って意外な言葉の組み合わせで、意外な世界を描くんだなあ。


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