2011年7月23日土曜日

仁句鑑賞 ・・・猫跨ぎ

  セシウム汚染牛が福島県から東北各県に拡がった。稲藁を通じてと言う。静岡茶の汚染を考えるともはや東日本全域に拡がっているらしい。基準が厳しすぎるという声がある。実際そうなのだろうが、あれこれ議論の時間はない。杓子定規にこの基準を適応し、超えた物は撥ねるという操作を歯を食い縛ってやるというしかない。除染が当面最優先の課題だろう。しかし、どんな食品汚染がこれから明らかになるのかな。行政もこの際下手に隠し立てしないことだ。

仁句鑑賞
 例によって日常の身辺句に徹している。
・空席の噎せ返へる夏市営バス
そうか函館も炎暑の夏到来ということか。
・一湾を慌てて下りて夏の霧
函館山から湾に向かって霧が慌ただしく降りてくる。そういう気象があるのか。
・捩花や異次元覗き如何です
これは前回の句の続きかな。
・内露地に打水あれば仏かな
内露地とは茶室の前の中庭を指す。打ち水があって、ほっと救われる風情かな。
・浜豌豆いわきの浜の瓦礫かな
浜豌豆をみていわきの浜を思いやる。
・塩辛のゴロの深さや夏の朝
 ゴロというのは烏賊の内臓のこと。内臓入りの塩辛ってあるね。ここらで売っているの とは違って味わいが深い。
・血圧を測り直して四葩かな
結構血圧が変動するのかな。気をつけよう。
・夏休み画紙食み出して新幹線
元気な孫のお絵かき。子供のお絵かきは面白いね。
・炎昼やカリヨンさっと撫でて行く
 カリヨンは演奏用の複数の鐘のことね。屋外に吊されてあるんだろう。函館らしい。
・はまなすに竿先緩む潮境
のどかな浜釣り風景。潮目、潮境、同じかな。はっきりと色目が違うね。

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