2011年7月30日土曜日

小野蕪子補足 ・・・猫跨ぎ

  新興俳句事件で小野蕪子はスパイという位置づけではなくて体制側にいて文化全般に睨みを利かせた人物。それは周知だった。一時睨まれた中村草田男もホトトギス幹部の口利きで挨拶に出向いて頭を下げたとか。スパイはいたらしい。結社に入って同人の顔で句会に参加していた。
 まあしかし、くくられた俳人自身が何で?と眉に唾だったのでないか。この話、前にもあったと思うが、山本健吉は、昭和初期に日本共産党を壊滅させてから、特高も手持ち無沙汰になった。組織維持のための一仕事だったのでは、と言っている。そんなところが正直なところかもしれない。それにしても自分の気に入らぬ人物をこれを好機に陥れたり、無批判に当局に迎合して被疑者を苦しめるとか、いろんな陰惨な付録が必ずあるなあ。

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