2012年8月3日金曜日

秋の旅行・・・・褌子

夜半、蚊にさされ起きてみたら皓皓たる月が中天にかかっている。虫の音も聞こえてくる。
やはり晩夏である。あのひとが朝な夕なにみた釧路幣舞橋は朝霧のなかにあるかもしれない。柳生さんが生まれた小樽の港にももの悲しい霧笛が鳴っていることだろう。国兼さんご生誕の地、滝川にはもうコスモスが秋風に揺れているにちがいない。仁ちゃんのいわきの旧宅に大きなムクゲがありました。いまごろ大輪の花が咲き乱れていることだろう。
かくいうわが家でもメドウセージが濃い紫の連珠の花をことしも楽しませてくれている。
八月下旬に初秋の京の北、鞍馬、貴船あたりから奥へ奥へと入って岩谷口、鬼面里あたりを独り寂しく「隠れ寺」を訪ねて歩くことにした。前立腺がどうしたこうしたなどという下賤な雑念に迷うことなく、とぼとぼと歩かねばならない。道ばたの道祖神のわきでへたり込んで汗をふきながら『嵯峨野名月記』をぽつりぽつりと読んでいると、野菜をかついだ村の娘が「御免やす」と通り過ぎてゆくことだろう。
��復刻版の漱石『虞美人草』の冒頭は大原女とこんな具合に山道ですれ違うのである)
どんどん山道をのぼり峠をこすと丹後の村々がみえてくることだろう。稲田はもうすっかり黄緑一色になって初秋の風にたよりなげに初穂をふくらませているのである。
健脚ならば山田風太郎が愛してやまなかった故郷丹波篠山まで足を伸ばすのもよかろうが、北東のあたり若狭のほうを遙かに望めば大飯原発の偉容も遠望できるかもしれない。
  …無駄話はさておいて、今年のほろほろ会の旅行日程を八月八日「通い路」では決めましょう。ただくだくだと飲むだけではいけませんよ。
  去年の山形旅行はよかったなあ。やっぱり秋田とか岩手とかみちのく方面でしょうか。

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