2012年8月15日水曜日

猫跨ぎ句鑑賞・・・・褌子

   柔道の「メス猫がひっかくような組み手争い」という国兼発言は言い得て妙。もっとパラリンピックに関心をもちたい。
・尼寺の杏子ぼんやり暮れにけり
   わび住まいの尼さんの屈託倦怠…
   あんずあまさうなひとはねむさうな  室生犀星
・手に残る氷の匂ひ炎天下
   氷の匂ひが絶品。類句をよんだ記憶もあるが
・浜木綿の花の向かうの流離譚
   ハマユウの語感が好き。貴種流離譚も日本人は好きだね。
   ハマオモトと流離譚の配合が奇抜
・一番の客でありけり水中花
   水中花は造花なんだね。水につけて花開く植物かと思い込んでいた。
   夕方飲み屋にいったらカウンターの水中花がきれいだった。ママさんがあんたが今日一番に来たお客さんよビール一杯サービスしましょ。
・子規庵に人の途絶える大暑かな
   暑い暑いと騒がずこんな風にいうと風雅である。
   ジイジイゼミがふりそそぐ根岸の子規庵もカナカナゼミになっているか
・天平のどの瓦にも夏の雨
   福田平八郎の「驟雨」の景だ。暑く焼けた瓦、一天にわかにかき曇りぽつりぽつりザーざあー。奈良正倉院の白雨か。
   天平が一句を夏雲のうえにびえ立つ秀峰の高みに引き上げた。
   特選
・夏草を上る戦跡見ゆるまで
   衣川の草いきれ
・仲見世の等間隔といふ暑さ
   いろんな暑さがあるんだね
・欄干の鉄鋲灼けて無口なり
   じつに暑い。
・歌舞伎町夏暁の男饐え
男饐えが浅学非才ゆえ読めません。
   歌舞伎町で泥酔二日酔いで朝帰り? まさか

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