『素数の魔力に囚われた人々~リーマン予想・天才たちの150年の闘い』も非常に面白かった。
「リーマン予想」数学史上最難関と恐れられ、今年問題発表からちょうど150年を迎えた。数学の素数が、2,3,5,7,11,13,17,19,23・・・と一見無秩序でバラバラな数列にしか見えない素数が、どのような規則で現れるかは、素数の並びの背後に「何か特別な意味や宇宙の調和が有るはずだ」と数学者たちは考えて来たというのである。素数の規則が明らかにされれば、宇宙を司る全ての物理法則が自ずと明らかになるかもしれないとプロジェクトXなみのNHK式感動の押し売り方法で大げさにいうのである。たしかに素数が並ぶ規則を数式化すると原子核の振動を表す数式と同じになるというのだから感動症の小生はたちまち感動の涙を流してしまった。
さらにこの「リーマン予想」が解かれれば私たちの社会がとんでもない影響を受ける危険があることはあまり知られていないともいって脅かすのである。クレジットカード番号や口座番号をRSA暗号化する通信の安全性は、「素数の規則が完全には明らかにならない事」を前提に構築されてきたからだという。
へー、そんなこと算術が苦手だったので知らなかった。
「リーマン予想」と「素数の全性質」が解決すればRSA暗号が効率的に破られるのだと、NHKは現代文明の基礎が崩壊するみたいに脅かすのだが、早速、ある数学者がおいおいNHKがそんなこと放送していいのかよとインターネット上で以下のような反論をしている。
RSA暗号の小ネタは「素数の音楽」から取ったネタなのだろうが、リーマン予想とはあまり関係がないネタなので、これは詐欺的ともいえる印象操作である。しかも、RSA暗号が破られる条件として「リーマン予想の解決」と「素数の全性質の解明」を同時に比べているところが小ずるい。リーマン予想が解決されたとしてもRSA暗号にはほとんど影響はないだろう。ただ、リーマンζをL関数に置き換えた予想である、拡張リーマン予想を仮定すれば、ある程度素数の判定が効率的になるアルゴリズムが存在する可能性が指摘されているのだが、RSA暗号が一気に破られるということにはなりそうにない。それに対して「素数の全性質」が解決されれば、そりゃRSA暗号なんてものがダメになるのは当然だろう。RSA暗号の安全性は巨大素数の合成数を因数分解することが困難であるということに基礎を置いているのだから。それにしても「素数の全性質」なんていったいなんのことだかわけがわからない。
・・・・??読んでいるボクもいったいなんのことだかよくわかりません (*^_^*)
【写真は11月11日の原発ゼロ100万人集会で.
恥ずかしいので小さくしました】
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