「太陽がいっぱい」(1960)でなく「太陽はひとりぼっち」(1962)ですね。いっぱい、とひとりぽっちでは反対だ。戦後フランス中産階級の倦怠とか頽廃を感じる映画だった。モニカのはまり役。
モニカ・ヴェッティなんて突然、猫跨ぎさんがいいだすので、つい五〇年前に想いがとんで、↓のようなはしたないことを書いてモニカ全盛期の写真までのせてしまった。 恥ずかしい。逸徳さんにつづいて古稀を迎えんとして岩上の清水のような心境にやっと到達したばっかりなんだ。せっかくの明鏡止水をかきみださないでほしい。
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敗戦後のフランス映画といえば『禁じられた遊び』だが、私が記憶から離れないのはルノワール監督『海の牙』
ドイツ崩壊でナチス党員たちが南米に多数逃げた。(アイヒマンも生体実験のメンゲレも南米でイスラエル特殊部隊に捕まっている)
『海の牙』は潜水艦でナチス高官らが逃げる物語。大西洋上で燃料切れになり、通りかかった貨物船と交渉して燃料をわけてもらう。満タンになって別れるやいなや、容赦なく貨物船を撃沈する。狭く息苦しいUボート内部の葛藤、ナチスの非人間性をあぶり出した傑作だった。
いま思いついたイタリア映画の傑作は『ドベレ将軍』
北イタリアのレジスタンスの希望の星だったドベレ将軍がアフリカからイタリアに上陸したとたんにドイツ軍に射殺される。ドイツ軍側が反ナチの逮捕者たちの口を割らせるためにチンピラみたいな男に刑務所内でドベレ将軍を演じさせるのだ。ところが平凡な男が次第にドベレ将軍になりきって堂々と処刑台にたつ… 「人生で迷ったら困難な方を選べ」という偽将軍のセリフが今も耳に残る。
追伸=中川先生はフランス映画なら『大いなる幻影』(1937)だといっていた。スペイン内乱を描いていたが、あまり記憶に残ってはいない。
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