2012年11月20日火曜日

函館通信192・・・猫跨ぎ氏句評・・・仁兵衛

 相変わらず深い鑑賞性のある句にまた脱帽です。東北旅行の作はそこにいかぬ人にちょっと解り難い所もあったけど(行けなかったやっかみも入ったが)11月の句は心棒の入った句があり楽しませて呉れているね。

・鉄路にも程よき起伏吊し柿 ・・・中七の程よき起伏が鉄路と吊るし柿との間を見えぬ糸で結んでいるような感じに打たれた。
・耳掻を栞にしたる獺祭忌 ・・・ユーモアを感じて入る内に獺祭忌で締める上手さが何とも云えぬ。
・梅擬ポー詩集あつたので読む ・・・取合せの妙の極意か。梅もどきも地味な花だけどここでは輝いているようだ。特選。
・謎の螺子一本残る夜寒かな ・・・謎のとしたところが良し悪しの解釈に迷うところだが・・・。
 
・よもつひらさか蜩の鳴く時間です ・・・よもつひらさかが難しくて。
・雑炊に塩を振る夜や鳥渡る ・・・塩の摂取は控えめに。
・熊吊られ猟師(さつを)と同じ谷を見る ・・・落選した候補者と応援者と考えたら面白くなった。
・狭庭にも大いなる闇菊月夜 ・・・狭庭のないマンションは闇ばかり。
・評判の金木犀は路地の奥 ・・・北海道に居ると金木犀の香りが殆ど無い。
・木の実落ち座敷すみずみまで深夜 ・・・選挙で落ちた人は本当に寂しさを感じるのかな。

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