2012年7月5日木曜日

函館通信182・・・猫跨ぎ句評・・・仁兵衛

 相変わらず猫跨ぎさんの句作りの力に感じ入っている。特に今回は身近な事と自然事象との取合せが優れている句が私は気に入りました。
・遠雷や手帳に覚えなき略記・・・中七・下五を抽出してきた所に力を感じる。そして遠雷という季語の選択が素晴らしい。
・夕暮れのピーマンの種桶に浮き・・・これは実際に体験されているのでしょう。私には発想としても観察としても全く出てこない。
・手に残る氷の匂ひ炎天下・・・上五・中七でどんな心象を描いているのだろうか色々想像させてくれそうだ。特に匂いと表現された所が一番気になった。勿論炎天との取合せも絶妙ではなかろうか。特選。
・日本海昏し大粒のさくらんぼ・・・「くらし」と言う日本語は実に広い感覚に溢れている。その言葉を実に見事に句に生かしていると思う。特選と思ったのだが中七の字余りを感じ準特選とした。

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