2012年7月2日月曜日

『ショック・ドクトリン』   ・・・褌子

    『ショック・ドクトリン――惨事便乗型資本主義』ナオミ・クライン(岩波書店)を読んでいる。
   イラク・アフガン・パレスチナ・ギリシア・北アフリカ・南アメリカ、さらに中国、インド、・・・現代世界で起こっていることを俯瞰する上で、特に未曾有の震災・原発事故に襲われた日本にとって実に示唆的な本である。
   とくにネルソン・マンデラ自伝『自由への長い道』をよんだばかりなので、ネルソンひきいる新生南アフリカ共和国がいかにアメリカ発の市場原理主義に蚕食され屈服していったかに一章をさいていて衝撃的である。
   とりあえず、全二冊の本書の帯封の簡単な紹介文だけを記載してみる。

―――――本書は、アメリカの自由市場主義がどのように世界を支配したか、その神話を暴いている。ショック・ドクトリンとは、「惨事便乗型資本主義=大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革」のことである。アメリカ政府とグローバル企業は、戦争、津波やハリケーンなどの自然災害、政変などの危機につけこんで、あるいはそれを意識的に招いて、人びとがショックと茫然自失から覚める前に、およそ不可能と思われた過激な経済改革を強行する……。
   ショック・ドクトリンの源は、ケインズ主義に反対して徹底的な市場至上主義、規制撤廃、民営化を主張したアメリカの経済学者ミルトン。フリードマンであり、過激な荒療治の発想には、個人の精神を破壊して言いなりにさせる「ショック療法」=アメリカCIAによる拷問手法が重なる。

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