20日の夕方、地下鉄丸の内線国会議事堂前駅で降りると改札口に警察官が大勢並んでいてに誘導された出口しか出られない。階段をのぼると地上は「再稼働反対」の唱和をとなえる人々の長い列ができていた。「官邸前は大勢で危険です。国会議事堂前にまわってください」という警察官のメガホンで30分も歩いたり停まったりして国会議事堂の正面にたどり着く。ここで白い風船などをもらって8時まで人の波にもまれながら「サイカドウハンタイ」を叫ぶ大勢の人々のなかに立っていた。雨もやんで涼しいので助かる。(七月一六日の代々木公園は暑かったなあ!)
参加者の半分くらいは青年男女かもしれない。みなスマートフォンをにぎっているからこの層がツィッターやフェースブックでつぎつぎとよびかけあってうなぎ登りに参加者がふえていったのだろう。会社帰りの背広姿のサラリーマンもかなりいてさかんに携帯で写真をとっている。あとは子どもといっしょにきた家庭の主婦とか私のようなおじさん、外国人も結構きているようだ。プラカードはすくなく、四、五人にひとりくらいが、ウチワや紙などに意思表示をして頭の上にかかげている。「フクシマの被災者を見捨てるのか」とか「放射能があっては生きていけません」とか「原発でもうけているのは誰だ!」とか書いた紙をシャツにはっている参加者もいる。
警察に届けるデモ行進でなく、自然発生的な「抗議行動」とのことだが明らかに過剰警備。歩道がびっしりと人で埋まっているのに、議事堂前の大通りは警備とマスコミの車だけでがらがら。
国会周辺に毎週毎週これだけ人が集まるのは、60年安保以来というから実に五〇年ぶりの光景ということになる。三月頃から集まり始めて、七月はじめの野田首相の「大飯原発再稼働」で爆発的に参加者がふえた。
政府は「次つぎと原発が再稼働してしまえば、そのうちあきらめて参加者は減っていくだろう」とたかをくくっているかもしれない。が、衆院選を前に民主党から脱党者があとをたたない野田首相はまさに内憂外患、この巨大な抗議行動には心底参っているはずだ。
八時をすぎたら自然と静かになって拍手が起きた。だんだん人の波が整然とひいていく。
七月二九日には国会議事堂を包囲するキャンドル抗議行動をよびかけるチラシをくばっていた。若い女性たちが帰り道の案内をしている。昔のデモのように過激派の浮ついた怒号も警官隊との小競り合いもない。
長年、デモなどやったことがない青年たちが夜にこんなに集まるのだから、日本がいい方向に変わるきっかけになるかもしれないなあとと思いながら帰った。
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