シモネッタ・コマリンスカヤなんて「カラマーゾフの兄弟」に登場する薄倖の娼婦の話になってしまった。原発の激論から深遠なロシア文学に迷い込んでしまった。申し訳ない。
By the way いちおう資産家らしく怪しげな珍品趣味の安原さんだが、意外にも彼は若い頃は電気工事士の資格をもっていて原発労働者だった。彼はいまも当時の白い防護服をもっているので着用した小生の写真をそのうち本欄で紹介しよう。私に昨年北京にいったら安い線量計をたくさん買ってきてくれと頼んだのも実は安原さんなのだ。原発がどんなに危険なものか骨身にしみていて、末端の労働者の犠牲のうえに保守点検がかろうじて成り立っている原発はありゃあ文句なしにやめるしかないといつも言っている。
じつは安原さんは肺ガン手術から生還したばかりなんだが、若いとき原発のなかにもぐりこんで仕事をしていたときの放射能被曝とアスベストのせいに違いないと信じている。安原さんにとっては将来のエネルギー政策がどうのこうのという理屈よりも、とにかくおっそろしく危険で東電の社員なんか決して近寄らないところを暴力団までつかって全国からかき集めた下請けの下請けの末端の労務者がガーガー鳴る線量計の電源を切って特攻隊みたいに巨大な蜘蛛の巣みたいな配管の間で蒸し風呂状態で働かされている現状を告発したいのだ。当時の仲間はほとんどガンで死んじゃった。あんなひどいものはないぜが安原さんの言い分だ。俺はもうデモにいく元気はないけど、おまえが代わりにうちのハチミツなめてスズメバチの焼酎づけで精つけて反原発デモに行ってこいというのだ。
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