小沢は嫌いなタイプだが、消費税反対、反原発をいうのは決して悪いことではない。しかし彼の著書『日本改造計画』では消費税10%、原発は必要といっていた。要するに政局をもてあそんで生き残るためには何でもありの男なのだ。彼については猫跨ぎさんはいぜんファシストのにおいがすると発言していたが、私も同感。
ネルソン・マンデラ自伝『自由への長い道』(NHK出版)をやっと読み終えた。300年におよび白人支配とたたかって27年間も投獄されながらついにアパルトヘイトを打ち破って南アメリカに民主主義国家をうちたてた偉大な男の自伝。幼年時代の思い出からはじめて、70数年の闘いの歴史を淡々と語りつづける。長時間かけて敵をも味方にしてしまう実に寛容な精神の持ち主であることに感銘をうけた。ほかのアフリカ諸国は列強から独立したときに白人たちに報復したり本国に追い出したりして、そのあとの政権が腐敗し黒人同士の内戦になったところが多い。その点、ネルソン・マンデラひきいる党は徹底して昨日の敵の白人たちとの融和を追求する平和路線をとって成功した。白人の政敵デクラーク首相といっしょに1993年、ノーベル平和賞をうけたのが象徴的。二回の離婚の経過がせつないがあまりに過酷な革命のみちと家庭生活とは両立できなかったことを隠さず語っている。成人した子供たちは父の歩んだ道を理解し、たくさんの孫やひ孫にも恵まれたことに読者も救われる。
じつは英語の勉強と思って『LONG WALK TO FREEDOM』を読み始めたがたちまち面倒になって日本版を読んでしまったが訳者は東江一紀氏という1951年生まれの北大文学部卒。違和感がない読みやすい訳文。いい本に出会えた。
・・・しかし、ネルソン・マンデラひきいる南アフリカに、新自由主義が襲いかかるのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿