その昔、結婚して子供たちがころころと生まれ、60までは何とか生きて、月給袋を運ばなければと思ったものである。無事60の還暦を迎えてまた、考えた。70までのあと10年間、お迎えが先に来るかもしれないが元気で生きている限り、カミさんが希望していた海外旅行と社会への恩返(9年間国立大学の安い授業料と育英金で卒業したが、多大な税金を使ったことだろう)をしようと決めた。 そう決めてから、はや10年があっという間に過ぎてしまい、70になってしまった。毎日のように晩酌をたしなみ、タバコをふかしているにもかかわらず、きわめて健康な状態である。
さて、これから10年(この身体状態なら後10年ぐらいはという変な自信が湧いている)どのように生きていこうかなと、カミさんの兄貴のように日本を去ってペナンでの生活もよいのかなと、そこでひっそりと静かに、隠れて生きるのも・・・・。カミさんにこの話をしたら即座に「嫌です」と一言。あれこれと考えているうちに、私のサイエンス抄訳のボランティアの親友がすい臓がんで「余命半年」と宣告されてしまった。私よりも若く、山登りが好きで定年後は毎月のように仲間と登っていたぐらい元気者であった。
どう過ごそうが、どう生きようがあれこれ考える年ではないのかもしれない。余命を心置きなく過ごすことにした。
0 件のコメント:
コメントを投稿