高校生のは皆良い句ばかりだけれど、完成度が高いのは
・ジャスミンの骸を抱く下り坂 松本沙織
だね。適度に抽象化されていて、青年期の憂愁が表現されている。
褌子氏の言った
・滝壺にながき一瞬経て落ちる 佐藤雄志
から連想するのは
滝の上に水現れて落ちにけり 後藤夜半
だろうが、滝壺にながき一瞬経て、がいまいち判りにくいな。夜半句とは別な趣向をと
意図したのだろうけれど。
仁句鑑賞
今回もあえてprivateな部分には遠慮させていただく。
もう冬なんだね。
・するすると子冬将軍降りてきて
北海道の冬は早い。最初の寒波ですっかりあたりは冬模様に包まれてしまう。
・北時雨うしろ振り向くジャン・ギャバン
北時雨って北国の言葉だなあ。リアリティがある。突如のジャン・ギャバには驚かされる。そんな外人旅行客がいたのだろうか。多分皮ジャンなんか着て。
・皿石の千古のへこみ櫨紅葉
火口付近で採取される中央の凹んだ溶岩の皿状の石が皿石。庭石なんかにするのかな。
千古のへこみが面白い。
・六道の辻まで溢れ草の花
こういう感覚がもう他人事ではなくなってきたね。(特選)
「六道のどの道をいま春の泥(上田五千石)」というのがあったなあ。
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