2011年10月11日火曜日

函館通信157・・・はなむけ・・・仁兵衛

 山形旅行ホロホロ会御一行様ゆっくりと愉しんできてください。紅葉には一寸早いかもしれないが山形路には俳句や短歌のねたには事欠かないと思います。

 俳句と言えば八月に松山であった俳句甲子園の優秀句があったのでご紹介する。噛み締めて読むと旅行中にふっと俳句が浮かんで来るかもしれません。
 兼題「滝」
 ・ 轟音に包まれ我は滝になる    橋本将愛
 ・ 滝壺にながき一瞬経て落ちる   佐藤雄志
 兼題「雲」
 ・自画像に雲を描き足す我鬼忌かな 山本萌人
 ・悩んだら笑ってしまへ鰯雲      高橋里波
 ・夏雲や生き残るとは生きること    佐々木達也
 兼題「坂」
 ・クロックスの偽物履いて夏の坂   西橋朋子
 ・ジャスミンの骸を抱く下り坂      松本沙織
 兼題「昼寝」
 ・一畳を千畳として昼寝せり      神田莉穂
 ・水槽に日矢揺らぎたる昼寝覚    東影喜子
 最優秀賞
 ・未来もう来ているのかも蝸牛     菅千華子 

 どれもこれもみずみずしさを湛えているではないか。この若さが欲しいと思い句を作るのだがさっぱり若さは戻ってこない。成長しない肥やしでしかなさそうだ。その恥を忍んで又今月の十句をそっと出す。

 ・虫の音やカチリと自動販売機
 ・菊供養海を見つめる友のゐて
 ・長十郎読経の鈴は収まらず
 ・六道の辻まで溢れ草の花
 ・やはらかく小骨をとりて秋の暮れ
 ・初紅葉レジ待つ列の大男
 ・追分を唄う木箱や林檎売り
 ・するすると子冬将軍降りてきて
 ・北時雨うしろ振り向くジャン・ギャバン
 ・皿石の千古のへこみ櫨紅葉     

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