2011年10月31日月曜日

計算してみよう・・・猫跨ぎ

先日、松戸で高濃度の汚染箇所が見つかった。27万6000Bq/Kg
という。ところでこれは土壌1Kg当たり放射性セシウム137が何gに相当するか。ちょっと計算してみよう。

��N/dt=λN が基本式。N=(dN/dt)/λを計算する。
Nはセシウム原子数、tは時間、λ=0.693/T、Tは半減期で30年。
��λ=0.693/Tは基本式から導かれる:省略)
��N/dt=276、000
λ=0.693/30x365x24x60x60 =7.32x10(-10)
これらを上の式に入れて、
N=276,000/7.32x10(-10)=3.77x10(14)個となる。

答)
原子量とアボガドロ数を入れて、
W(重量)=Nx137/6x10(23) g=8.61x10(-5)mg 

因みに食品衛生法の暫定基準500Bq/Kgは、同じように
1.56x10(-7)mg である。
また、
福島原発からは現在でも毎時1億Bq放出しているという。
3.11x10(-2)mg ということになる。(セシウム137換算)

最近、欧米の研究チームが東京電力福島第一原発の事故で3月11日から4月20日迄に大気中に放出された放射性セシウムは、約3万5800テラベクレルと発表した。内閣府の原子力安全委員会が公表した推定値の3倍になり、チェルノブイリ原発事故の放出量の4割にあたるという。降下物は大部分が海に落ちたが、19%は日本列島に、2%は日本以外の土地に落ちた。
��万5800テラベクレルは、11.1Kg となる。

いわゆるトレーサー量のレベルで通常の化学工業が扱える量の遥かに遠い世界。一端まき散らされると、お手上げだということが改めて実感できる。
  高木仁三郎の岩波新書に述べられている「原子力産業」を「石油化学産業」に置き換えてもそのまま通用する。化学産業では、爆発、漏洩、汚染が繰り返し起こっている。重大な勘違いが事故に結びついたのは山ほどある。改竄もあった。同じだ。
公害の元凶として厳しく指弾されたが、それなりに学習し乗り越えてきたと思う。ひとえにコントロール出来る次元の量だったからだ。つまりなんというか、クソリアリズムのなかで導入技術を血肉化できる余裕があったということだ。
原子力ではこの学習がありえない。トレーサー量は人間の五感を超えておりクソリアリズムが全く通用しない。神の世界。神の世界に手をいれることは、だから倫理の問題として考えるしかない。そのことを改めて実感する。







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