2011年10月3日月曜日

金木犀・・・猫跨ぎ

  昨日、我が家の庭の金木犀も開花した。土曜日の東京句会でもその話。考えてみればこの同期性は不思議なことだ。特にこういう栽培植物はルーツを辿ると数本の苗木に収斂する(?)から、謂わばクローンみたいなものだと思ったりするが、それにしても不思議な時計を内蔵しているものだ。
  生物の話を続けると、ロシアで狐の家畜化が研究されているという。人なつっこい狐を選抜し続けると50年ですっかり人間になつく狐が得られたという。
形質に特徴がある。尾が巻く、耳が垂れる、鼻先が短くなる。ひと言で言えば子供っぽさを残している。これはネオテニー(幼形成熟)ではないかというのである。幼体の特徴をのこしたまま動物が成熟することである。外見のほか、柔軟性に富み、好奇心に満ち、探索行動が長続きする。
  実は人間自身がサルのネオテニーとして進化したという仮説がある。体毛が少なく、顔が平らなサルの子供はヒトに似ている。子供時代の延長が、知性の発達に大きな力を貸した。想像力の射程を伸ばし、光と闇のコントラストを教え、喜びと悲しみの深さを示し、美意識を育て・・・・子供っぽさ、それはヒトのヒトたる根源に繋がる。

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