2010年12月31日金曜日

函館通信127・・・大晦日・・・仁兵衛

 函館は雪が降る天気予報であったが今回は低気圧が北に上らないものだから九州や四国で雪が降っている。但し風は強く寒さはしっかりと寒い。歩道は根雪、大きい車道は雪無し、ななかまどの赤い実は残っているものの極めて貧弱だ。こんな風景は猫さんに指摘された私の沈鬱さの一要因かもしれない。
 猫さん、褌子さんの早速のご句評有難う御座いました。言い訳も含めていくつか付け足させて下さい。
・出汁は精確には「だしじる」と読むんだろうがここは「だし」として俳句的に使いました。
・日本大歳時記には「氷割る」がなく「氷切る」が季語になっていたので使用。「氷割る」はバーテンダーが氷を割っているイメージが強すぎていかん。
・日記をつけると散髪に行った日を確認できるとは全く同感である。いや一冊目の10年日記が8年目に入っているんだが色んな過去の自分の行動を振り返ってうなずくことが実に多い。
 
 猫跨ぎ宗匠句鑑賞と行きましょう。相変わらず優れた句が多く勉強になります。
・小春日や象は言はれたまま坐り
 何となく象に寂しさを感じるが小春日との取合せ妙。
・短日や根付ばかりの骨董屋
 根付を造るのは細かい神経が必要。
 骨董屋の親父の顔が浮かんできそう
・蓑虫の揺れて犍陀多(かんだた)の孤独
 「かんだた」とはどんな方?なのか教えてください。
・冬の滝電流弱くながれをり
 水量の減った冬の滝は何を象徴しているのでしょう。
・山茶花の向かう山茶花忌日かな
 函館にも山茶花の咲いた垣根ぐらいがあって欲しいと思っています。
・鍵束をざらりと置きて年の夜
 重たい鍵束を無造作に置いている瞬間にざらりと感じる。
 類句を見た様にも感じたが年の夜との取合せが距離があっている。特選。
・鉄瓶の口の湯垢や雪催
 湯垢と雪催い、どちらもどんよりして好きになれなかった。
・粉雪やレーニン選集括られて
 どうにもこうにもユーモアを感じた。
 「レーニン選集」と焦点が絞られているのが気持ちよい。並選。
・雪激しポケットの中に繊き指
 「繊き」は「ひわき」でいいでしょうか。
 女性のひ弱き指を指しているとしたら作者の繊細さを感じます。
 「雪激し」をこちらでは「雪しまき」と当てさせて貰いました。
・おでんの卵逃げ来年は小吉
 実感と共にユーモアが生まれ楽しませてくれますね。並選。
 来年は小吉とまとめて頂いたのが歳晩十句の締めとしてぴったり。
 
 皆様本年はお世話になりました。又来年もよろしくお願いいたします。
 

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