2010年12月9日木曜日

光化学・・・   褌子

   太古の海でPが今日のAsと同じくらい少なく、Asが今日のPと同じくらい豊富に存在していたら、恐らく我々もAs人間になっていただろう・・・という國兼博士のリンとした至言を私はいつまでもヒソかに記憶していることだろう。
ことしは、ヒ素バクテリア、ハヤブサ(イオンエンジンはじめて知ったが原理がまだわからない)によるイトカワの岩石片もちかえりなど科学分野のビッグニュースがあったね。残念ながら、「あかつき」の金星軌道再突入は6年後になってしまったが。
   鈴木先生といっしょにノーベル賞もらった根岸先生が新聞のインタビューのなかでこんなことをいっていた。
   問い「これから、化学が解決していくべき課題は何でしょうか」
   根岸「化学者として恥ずべき問題は、太陽がやっている光合成を、いまだに人工的な化学反応でうまくできないことです。
二酸化炭素と水を吸って、木や草が炭水化物にし、炭水化物を食べた牛が生命活動の中でタンパク質を作り、牛乳を作る。つまり、光合成によって二酸化炭素はすべての有機物のもとになっている。社会は二酸化炭素の排出削減という方向に動き始めているが、本来は『二酸化酸素さまさま』なんです。化学者からすると、目の敵にするのはとんでもない」
   問い「どんな研究が(環境・エネルギー・食糧問題)などに対処するカギになるのでしょうか」
   根岸「一つは太陽と光。光化学の進歩が大切です。もう一つは私のライフワークでもある金や銀、銅、鉄など遷移金属と呼ばれる金属の触媒の分野です。自然界の光合成も鉄を使っています。こうした金属は反応をすすめる触媒としても多彩です・・・

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